日本産業機械工業会がまとめた2025年6月の産業機械受注総額は7,282億円となり、前年同月比33.1%の大幅な増加となった。国内需要が4,770億円(同39.2%増)、外需が2,511億円(同22.8%増)とともに好調で、全体を大きく押し上げた。
内需では製造業向けが26.9%増、非製造業向けが46.0%増、官公需が52.5%増、代理店向けが10.0%増といずれも前年を上回った。機種別では11機種が増加し、特にタンク(139.4%増)、運搬機械(90.7%増)、その他機械(72.8%増)、金属加工機械(52.3%増)、ボイラ・原動機(44.9%増)などが大きく伸びた。減少したのはプラスチック加工機械(▲2.8%減)の1機種のみだった。
外需では8件・683億円のプラント受注により552.6%の大幅増を記録した。機種別ではボイラ・原動機(274.7%増)、金属加工機械(147.7%増)、送風機(84.7%増)、運搬機械(49.8%増)など8機種で増加した。一方、その他機械(▲48.1%減)、プラスチック加工機械(▲37.2%減)、化学機械(▲34.3%減)、変速機(▲7.2%減)の4機種は減少した。
■輸出契約、26.4%増の2,405億円
・プラント受注が大幅寄与
6月の輸出契約額は、主要約70社で2,405億円と前年同月比26.4%増加した。プラント契約は8件・683億円に達し、前年同月比552.6%の大幅増となった。単体機械の輸出は1,722億円(同▲4.2%減)と減少したが、プラント受注が全体を押し上げた。
地域別では、アジアが42.0%、北アメリカが24.1%、中東が23.5%の構成比となった。
単体機械の機種別では、ボイラ・原動機(283.3%増)、金属加工機械(227.9%増)、鉱山機械(51.9%増)、風水力機械(37.2%増)、冷凍機械(31.2%増)が増加した。一方、化学機械(▲84.6%減)、運搬機械(▲37.6%減)、プラスチック加工機械(▲29.8%減)などは減少した。
■環境装置の受注、63.2%増
・都市ごみ処理装置の大幅回復
6月の環境装置受注額は1,884億円で、前年同月比63.2%の大幅増となった。都市ごみ処理装置の受注回復が全体をけん引した。
需要部門別では、製造業向けが化学・機械向け産業廃水処理装置の増加により142.0%増、非製造業向けも都市ごみ処理装置の増加で141.0%増、官公需も60.6%増となった。外需は38.0%減と減少した。
装置別では、大気汚染防止装置が電力向け集じん装置や海外向け排煙脱硝装置の増加で21.9%増、水質汚濁防止装置が11.8%増、ごみ処理装置が73.4%増と大幅に回復した。騒音振動防止装置は75.0%の減少となった。
2025年6月の受注統計により、産業機械業界は内需・外需ともに堅調な成長を続けていることが明らかになった。