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中国建機大手の徐工、ゼロカーボン鉱山開発で攻勢

・30ヵ国400社を集めた技術サミット開催、AI活用で「具現化知能ロボット」目指す

 徐工(XCMG):2025年8月20日

 徐州=中国の建設機械大手、徐工集団(XCMG)は20日、江蘇省徐州市でゼロカーボンスマート鉱山開発技術に関するグローバルサミットを開催した。30カ国以上から鉱山関連企業など400社余りが参加し、徐工が推進するカーボンニュートラルを目指した次世代鉱山ソリューションが世界的な注目を集めた。

・ 「AI+建機」で未来製品は「具現化知能ロボット」

 サミットの基調講演で、徐工集団・徐工機械の楊東升董事長は「未来の発展において、当社はデジタル化、知能化、グリーン化を確実な技術路線と位置づける」と宣言。さらに「人工知能+建設機械」分野への集中投資を表明し、「将来われわれが定義する未来製品は具現化知能ロボット(Embodied Intelligent Robot)だ」と野心的な構想を打ち出した。

 中国政府の「双炭」(カーボンピーク・カーボンニュートラル)目標と建設機械のデジタル変革が加速する中、徐工は技術革新の最前線に立つ姿勢を鮮明にした。

■鉱山全体のゼロカーボン化を一気通貫で実現
 陸川・徐工機械総裁は「今日、われわれは産業変革の最前線に立ち、世界に向けて徐工の鉱山開発全バリューチェーンゼロカーボンソリューションを提示する」と強調。サミットは「グリーン+スマート」を両輪とし、「鉱山の未来、ゼロカーボンが先行」をテーマに掲げた。

 徐工が打ち出した戦略は「成套組合(統合パッケージ)、実景案例(実証事例)、一站服務(ワンストップサービス)」の3つの核心コンセプトで構成。これにより「鉱山全工程ゼロカーボン・スマートソリューション提供者」への戦略転換を明確に示した。

■80台の新エネ機械で「未来鉱山」を実演
 サミット午後の部では、徐工の鉱山機械スマート製造基地が「未来鉱山」に変身。約80台(セット)の新エネルギー機械設備を使った統合ソリューションを披露した。

 展示エリアは主採区、補助採区、坑内区、エネルギー区、メンテナンス区、アフターサービス区の6つの作業シーンに革新的に分割。来場者は実際の高効率鉱山現場さながらの体験ができる設計となっている。

 バッテリー交換車から再製造コア部品、保守工具・設備まで、徐工の包括的ソリューションが一堂に会した。海外顧客からは「Amazing!」の声が相次ぎ、多くの参加者が記念撮影に臨んだ。

■グローバル初の完全統合型ソリューション
 今回徐工が発表したのは、グリーン電力供給ソリューションから純電気、ハイブリッド、水素エネルギーなど多様化した新エネルギー機械の展示、さらに充実したアフターマーケット部品付加価値サービスまでを包含する、世界初の完全な「ゼロカーボン・スマート鉱山統合ソリューション」だ。

 同社は従来の単体機械販売から、鉱山運営全体を最適化するエコシステム構築へと事業モデルを大きく転換。技術による差別化でグローバル市場での競争優位確立を目指している。

■業界標準化へ向けた「グローバル招請状」
 徐工幹部は「今日持参したのはゼロカーボン・スマート鉱山の段階的成果の答案であり、さらにグローバル、全業界パートナーに向けた『招請状』でもある」と表明。世界の業界関係者との連携を通じて、ゼロカーボン・スマート鉱山の「エベレスト」への挑戦を続けていく方針を示した。

 中国建機業界では環境規制強化と新技術導入が急速に進んでおり、徐工の今回の取り組みは業界全体のデジタル・グリーン転換を牽引する試金石となりそうだ。

 詳細は、ニュースリリース

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