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三井金属、基板内蔵キャパシタ材料「FaradFlex®」の生産能力を大幅増強

・マレーシア工場と上尾事業所で2026年3月までに約1.6倍へ

 三井金属鉱業(東京都品川区)は8月21日、薄型基板内蔵キャパシタ材料「FaradFlex®」の生産体制を強化すると発表した。マレーシア工場(Mitsui Copper Foil (Malaysia) SDN. BHD.)と上尾事業所を中心に、2026年3月までに現在の約1.6倍(2022年比で約3.5倍)の生産能力を確立する計画。

 高速・大容量化に応える材料 FaradFlex®は、銅箔と極薄絶縁層を積層した三層構造で、基板にキャパシタ機能を内蔵できる材料。ICの直下にキャパシタ層を形成できるため、伝送距離を短縮し通信ノイズの低減に寄与する。高速・大容量化が進む情報通信機器のほか、高性能ルーターやサーバー機器、スーパーコンピュータ、さらにスマートフォン内蔵のMEMSマイクにも採用されている。

■需要急増に対応
 近年はAI関連インフラやスマートフォン、ワイヤレスヘッドセット向けに採用が拡大し、需要が急増。これに対応するため、同社は2022年から段階的に生産能力を拡充してきた。すでに当時比で約2.2倍に増強済みだが、今回さらに設備増設と生産性改善を推進し、2026年までに約1.6倍(22年比で約3.5倍)の体制を整える。
 三井金属は「今後も市場の成長が見込まれることから、生産拠点の両工場における供給体制を強化し、旺盛な需要に応えていく」としている。

■サステナブル社会への貢献
 同社は企業パーパスとして「探索精神と多様な技術の融合で、地球を笑顔にする」を掲げており、2030年に向けて“マテリアルの知恵で未来に貢献する、事業創発カンパニー”の実現を目指す。今回の取り組みもその一環として、持続可能な社会作りに寄与するとしている。

 ニュースリリース

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