・シール業界が17.3%増と好調、米関税政策の影響も業界全体は安定
中国液圧気動密封件工業協会(CHPSA)が8月12日に発表した統計によると、2025年上半期の中国油圧空気圧シール業界は、外部環境の変動にも関わらず堅調な経済運営を維持した。
■業界全体で9.8%の成長を達成
上半期の業界全体の売上高は前年同期比9.8%増の432億7,000万元に達した。このうち、油圧・空気圧・シール製品の売上高は410億元となり、6.3%の成長を記録した。
第1四半期は順調なスタートを切ったものの、第2四半期には米国の関税政策などの外部要因により業界運営に変動が生じた。しかし、業界全体としては安定性を保ち、回復力を示したと協会は分析している。
■シール業界が牽引役、油圧業界は苦戦
業界別の詳細を見ると、成長率に大きな差が見られた:
シール業界:150億7,000万元(17.3%増)
空気圧業界:127億2,000万元(9.4%増)
流体動力機器業界:4億2,000万元(0.7%減)
油圧業界:129億9,000万元(6.5%減)
特にシール業界の17.3%という二桁成長が業界全体を押し上げる形となった。一方、油圧業界は6.5%のマイナス成長となり、業界内での二極化が鮮明になった。
■対外貿易も拡大、黒字4.4億ドル
6月単月では輸出入総額が11億6,000万ドルとなり、前年同月比13.9%の大幅増となった。これは業界の国際競争力の向上を示している。
■今後の見通し
協会では、米国の通商政策などの不確実性要因は残るものの、業界の基本的な体力は堅固であり、特にシール業界を中心とした技術革新と製品の差別化が成長を支えていると分析している。
下半期については、世界経済の動向を注視しつつ、国内市場の拡大と技術力向上による競争力強化に期待がかかる。
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