住友重機械工業は8月18日、次世代の太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池に用いる電子輸送層の新規成膜技術を開発したと発表した。独自の「反応性プラズマ蒸着法(RPD法)」を応用し、安価な酸化スズ(SnO2)を用いて環境負荷の少ないプロセスで成膜することに成功した。量産性と低コスト化を同時に実現できる技術で、カーボンニュートラルの実現に寄与する。
ペロブスカイト太陽電池は複数の層で構成され、電子輸送層は発電層から電子を取り出し電極へと伝える役割を担う。従来は化学的な成膜手法が検討されていたが、高価な材料や原料ガスの有毒性、量産性の低さなどが課題となっていた。
同社はすでにRPD法をITO(酸化インジウムスズ)などの透明導電膜の成膜装置に応用してきた実績があり、新技術を太陽電池製造工程に組み込みやすい。電子輸送層と透明導電膜の成膜を連続的に行うことも可能という。
同社は「今後、量産装置化と製造工程への適用を進め、ペロブスカイト太陽電池の普及を通じてカーボンニュートラル社会の実現に貢献したい」としている。
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