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NTN、25年4〜6月期は減収も営業益5割増、利益体質への転換が進展

 NTNが8月4日に発表した2026年3月期第1四半期(2025年4〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.6%減の1,990億円となった。一方で、変動費や経費の削減が奏功し、営業利益は53.9%増の69億円、経常利益は83.3%増の40億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は11億円(同6倍超)と、大幅な増益となった。

 同社は、2024年4月にスタートした中期経営計画「DRIVE NTN100 Final」のもとで、グローバルな生産体制の見直しや業務プロセス改善などの構造改革を推進。利益重視の経営への転換を進めており、今期第1四半期ではその成果が数字に表れた形だ。

■地域別動向:日米欧で減収、アジアは堅調

<日本>
 産業機械向けOEMは増加したが、自動車向けが減少し、売上高は837億円(前年同期比3.6%減)。為替影響もあり、セグメント利益は4億円と大幅減(同84.3%減)。

<米州>
 為替と一部業種の需要減が響き、売上高は647億円(同14.0%減)。一方、コスト削減効果により、セグメント利益は16億円(同2.6倍)を確保した。

<欧州>
 全体的に需要が弱含み、売上高は473億円(同6.6%減)。セグメント損益は改善したものの、3億円の赤字(前年同期は13億円の赤字)となった。

<アジア他>
 現地通貨ベースでは堅調だったが、為替の影響が重しとなり、売上高は396億円(同4.6%減)。セグメント利益は38億円(同9.2%増)と引き続き高水準。

■事業別動向:CVJは営業増益、軸受は苦戦

<軸受他事業>
 産業機械やアフターマーケット向けは回復したが、為替影響により売上高は830億円(同1.6%減)。営業利益は23億円(同31.4%減)と減益。

<CVJアクスル事業>
 主力の自動車向けで需要減が続く中、コスト削減で営業利益は47億円(同約3倍)に拡大。売上高は1,160億円(同8.2%減)と減収。

■通期見通しは据え置き、構造改革と稼ぐ力の強化を継続

 NTNは2026年3月期通期の業績見通しについて、以下のとおり据え置いた。
 売上高:7,900億円(前期比4.3%減)、営業利益:240億円(同4.5%増)、経常利益:110億円(同5.0%増)、最終損益:60億円の赤字(前年238億円の赤字から大幅改善)。

 中計「DRIVE NTN100 Final」では、事業構造改革とSQCCD(安全・品質・法令遵守・コスト&キャッシュ・納期&開発)の強化を重点方針に掲げており、継続的な利益体質への転換を図る。

 NTN の2026年3月期第1四半期決算短信
 決算説明会資料

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