kikai-news.net

CNH、25年4〜6月売上は需要の低迷を受け14%減の47億ドル

 CNH Industrial N.V.(CNH インダストリアル):2025年 8月1日

・希薄化後1株当たり利益(EPS)は0.17ドルを計上

・コスト削減施策の継続により、市場の逆風を一部相殺

・株主への配当を通じて3億ドルを還元

・通期業績見通しを据え置き

 2025年8月1日 、バジルドン(英国)—-CNHインダストリアル N.V.(NYSE: CNH)は、2025年6月30日を期末とする第2四半期決算を発表した。同期の純利益は2億1,700万ドル、希薄化後1株当たり利益(EPS)は0.17ドルとなり、前年同期(純利益4億400万ドル、希薄化後EPS 0.32ドル)から減少した。

 連結売上高は47億1,000万ドルで、前年同期比14%減。産業機器部門の売上高は40億2,000万ドルで、同16%減だった。営業活動による純キャッシュ・フローは7億7,200万ドル、産業機器部門のフリーキャッシュ・フローは4億5,100万ドルだった。

■CEOコメント
 Gerrit Marx(ゲリット・マルクス)最高経営責任者は次のように述べている。
 「今四半期は引き続き厳しい市場環境に直面しましたが、CNHチームの粘り強さと献身により、目標に沿ったかたちで乗り越えることができました。直近の投資家向け説明会で掲げた戦略的優先課題に集中し、業務改善と、農業・建設分野における優れた製品・技術への投資を推進しています。不透明な貿易環境の中で支えてくれるサプライヤー、卓越した顧客サービスを追求する販売代理店ネットワークの協力に感謝しています。CNHの未来に大きな期待を抱いており、皆さまとともにその歩みを進めていきたいと思います。」

■第2四半期の部門別状況

<AGRICULTURE(農業機械部門)>
 北米では、140馬力未満のトラクターの業界出荷台数が前年同期比で7%減、140馬力超のトラクターは37%減となり、コンバインも23%減少した。
 EMEA(欧州・中東・アフリカ)では、トラクター需要は7%減少した一方、コンバイン需要は8%増加した。
 南米ではトラクター需要が4%増加したが、コンバイン需要は6%減少。
 アジア太平洋ではトラクター需要が3%増加したが、コンバイン需要は42%減少した。

 農業機械部門の売上高は、業界全体の需要減および販売店の在庫削減の影響による出荷台数の減少により、前年同期比17%減の32億5,000万ドルとなった。

 調整後EBIT(利払い・税引き前利益)は2億6,300万ドル(前年同期は5億200万ドル)に減少。出荷減少が主因だが、販売価格の改善や生産費・保証費・販管費の抑制が一部相殺した。
 研究開発費(R&D)は売上高の6.0%(前年同期は5.5%)を占めた。
 調整後EBITマージンは8.1%(前年同期は12.8%)となった。

<CONSTRUCTION(建設機械部門)>
 世界全体の建設機械需要は、2025年第2四半期において、大型建機が前年同期比3%増、小型建機は2%減となった。
 地域別では、北米および南米で4%減少、EMEAでは1%増、アジア太平洋では3%増となった。

 建設機械部門の売上高は、主に北米市場の縮小による出荷台数減少の影響で、前年同期比13%減の7億7,300万ドルとなった。

 調整後EBITは3,500万ドル(前年同期は6,000万ドル)に減少。出荷台数の減少が主因だが、販売価格の改善により一部相殺された。
 調整後EBITマージンは4.5%(前年同期は6.7%)となった。

<Financial services(金融サービス)>
 金融サービス部門の売上高は0.3%減少。これは主に為替換算のマイナス影響およびブラジルにおける利回り低下によるものであったが、再販(リマーケティング)収益の増加や大半の地域における取扱量の増加により一部相殺された。

 純利益は8,700万ドルで、前年同期比で400万ドル減少。これはブラジルにおける信用リスクの増加と、前年のアルゼンチンのインフレ調整による税率上昇が主因。一方、金利マージンの改善や地域別の取扱量増が一部で支えとなった。

 管理資産残高(非連結の合弁事業を含む)は、2025年6月30日時点で287億ドル(うち小売69%、卸売31%)となり、前年同日比で2億ドル増(為替影響を除くと3億ドル減)。

 30日超の延滞債権比率は3.9%(前年同日比は2.5%)に上昇、主にブラジルでの延滞増加による。

■2025年通期見通し(Outlook)
 同社は、2025年の農業機械および建設機械市場の世界小売販売が、2024年に比べていずれも減少すると予想している。
 過剰な販売チャネル在庫を圧縮するため、CNHは小売需要を下回る生産を継続する方針であり、これにより2025年の売上高は2024年を下回る見通し。

 生産・販売量の減少は、各事業セグメントの利益率にマイナスの影響を及ぼすが、営業費用の削減努力により一部が相殺される見込み。
 同社は引き続きリーン生産方式と戦略的調達を活用した製品コストの削減、およびSG&A(販売費および一般管理費)・R&D費の厳格な管理を推進する。

 また、産業の循環的な低迷に加えて、変動する世界貿易環境にも直面している。米国の貿易政策の不確実性と、各国の対応、最終顧客への影響が、今年の業績見通しに影響を及ぼす可能性がある。

 同社は、以下の2025年業績見通しを改めて示している:
• 農業機械部門の売上高:前年比12~20%減(為替換算の影響 -1%を含む)
• 農業機械部門の調整後EBITマージン:7~9%
• 建設機械部門の売上高:前年比4~15%減(為替換算の影響 -1%を含む)
• 建設機械部門の調整後EBITマージン:2~4%
• 産業機械部門のフリーキャッシュフロー:1億〜5億ドル
• 調整後希薄化EPS(1株当たり利益):0.50~0.70ドル

■ CNH Industrial(CNH インダストリアル)について
CNHインダストリアル(NYSE:CNH)は、世界クラスの機器、テクノロジー、サービス企業。イノベーション、持続可能性、生産性を中核とする「新境地を開く」という理念に基づき、グローバルブランドおよび地域ブランドの成功を可能にする戦略的方向性、研究開発力、そして投資を提供していル。Case IHとNew Hollandは、世界規模で、機械からインプルメント、そしてそれらを強化するデジタルテクノロジーに至るまで、360°農業アプリケーションを提供している。また、CASEとNew Holland Construction Equipmentは、建設業界の生産性を向上させる幅広い建設製品を提供している。地域に重点を置く同社のブランドには、農業用トラクターのSTEYR、デジタル農業、精密技術、自律システム開発のリーダーであるRaven、高精度衛星測位およびヘッディングテクノロジーの大手設計・製造企業であるHemisphere、耕起・播種システムを専門とするFlexi-Coil、アプリケーション機器の製造企業であるMillerなどがある。Eurocomachは、建設業界向けに電動ソリューションを含む幅広いミニおよびミディ油圧ショベルを製造している。

 ニュースリリース
 プレスリリース(PDF)

 プレゼン資料

モバイルバージョンを終了