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米カミンズ、オフハイウェイ向け新型燃料システムを発表

 Cummins Inc(カミンズ):2025年7月30日

 米インディアナ州コロンバス、米カミンズ(Cummins Inc.、NYSE: CMI)は、建設機械や鉱山機械、発電設備などオフハイウェイ分野の多様なニーズに応える新型燃料システムを発表した。同社のコンポーネント事業部門に属する「カミンズ・コンポーネンツ&ソフトウェア(CCS)」が開発を手がけた本システムは、高性能かつ拡張性・統合性に優れ、次世代の燃料システム技術として新たな基準を打ち立てる。

 この新型燃料システムは、さまざまなエンジンプラットフォームに対応可能で、顧客のエンジンへのスムーズな組み込みと最適な性能発揮を可能にしている。コモンレール方式のハードウェアと専用制御システムを組み合わせることで、建設・鉱山・発電など幅広い用途に対応。ポンプ、インジェクター、レールの最小限の調整で他の出力帯のエンジンにも適用でき、他産業への展開も視野に入れている。

■耐久性とシステム効率の向上

 カミンズは、燃料経済性と耐久性の向上を目指し、コモンレール燃料システムの改良を重ねてきた。新システムは最大2,200バールの燃料レール圧に対応し、保護機構により2,600バールまでの高圧にも耐える。高流量対応のポンプは、1,800バールで毎時500ポンド(pph)超の流量を実現する。

「改良されたインジェクターのノズル噴孔や高圧ポートへの特殊コーティングにより、さらなる性能と耐久性を確保しました」と、CCSのアドバンスト・エンジニアリング&テクニカルリーダーシップ担当ディレクター、ジェームズ・C・シモントン氏は述べている。

 この燃料システムは、カミンズが長年培ってきた重機向け「油潤滑ポンプ(OLP)」プラットフォームをベースにしており、最大2万時間の耐久性を確保。実機での運用実績を重ねた信頼性の高い設計となっている。

■TCO(総保有コスト)を削減する顧客本位の設計

 新型燃料システムは、Stage 2、Tier 4などの世界各国の厳格な排出ガス規制への対応を支援するとともに、性能と燃費を両立。低圧ポンプ(LPP)やインレットメータリングバルブ(IMV)などの主要部品は保守が可能な設計で、稼働時間の最大化と保守コストの低減に寄与する。

 「私たちの燃料システムは、サービス性の高さと高性能により、お客様のTCO削減に貢献します」と、マーケティングディレクターのピユマニ・カルナラトナ氏は述べている。

■2025年内の製品化を予定

 本システムは、米国、インド、中国のチームが連携して開発。最先端のサブミクロン加工技術と世界水準のクリーン環境を備えたカミンズの製造拠点で生産される。2025年後半には製品の市場投入が予定されている。

■カミンズについて
 カミンズ(Cummins Inc.)は、エンジン、コンポーネント、ディストリビューション、パワーシステム、Accelera(次世代エネルギー)の5事業部門を持つ世界的なパワーソリューション企業。1919年創業、インディアナ州コロンバスに本社を構え、従業員数は約69,600人。2024年の売上高は341億ドル、純利益は約39億ドル。ディーゼル、天然ガス、電動、ハイブリッドなど多様なパワートレインおよび関連コンポーネントに加え、水素・燃料電池などの次世代技術も展開し、「Destination Zero(脱炭素)」戦略の下、持続可能な社会の実現を目指している。

カミンズの燃料システム技術の詳細は以下で確認できる:
https://www.cummins.com/

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