Liebherr(リープヘル):2025年7月25日
1954年:「エレファント」と「マンモス」―最初の試作機
1950年代、リープヘルはホイールローダーという当時まだ珍しかった分野に、「エレファント・タイプ90」と「マンモス・タイプ120」という2機種の試作機で挑戦。これが同社の継続的な技術革新の出発点となった。
1961年:LSL 1500 ― 技術革新の先駆け
「LSL 1500」は、日常の現場でその堅牢さと信頼性を証明した試作機。全輪駆動、トルクコンバーター、油圧式後輪操舵などの革新技術を搭載。現存する最後の1台は、2020年にビショフスホーフェン工場の研修生が修復した。
1974年:駆動方式の比較テスト
ハンス・リープヘルは、油圧式とトルクコンバーター式の駆動方式をそれぞれ搭載した「L 531」で比較試験を実施。結果、燃費と効率に優れる油圧式が優位とされ、同社の標準仕様として採用された。
1983年:量産開始 ― 油圧駆動が標準に
技術の成熟を経て、油圧駆動方式を採用した「L 531」「L 541」の2機種が量産体制に入る。当時の製造拠点はドイツ・キルヒドルフだった。
1980年代後半:ビショフスホーフェンが中核拠点に
1980年代末にはホイールローダーの生産をオーストリア・ビショフスホーフェンに移転。以降、開発・製造・販売のすべてが同地に集約され、現在ではリープヘルの国際的なホイールローダーの中核拠点となっている。
1994年:ステレオローダー ― 機動性と多用途性の両立
関節操舵と後輪操舵を組み合わせた独自の「ステレオ操舵」により、狭い現場や市街地、除雪など多用途に対応できる高い機動性を実現。
2010年:LogHandler XPower ― 木材業界向けの特化機種
作業重量37トン超、積載能力9トンの「LogHandler XPower」は、最大7mの積み上げと4m近いリーチを誇る木材処理用の専用マシン。専用マストと最適化されたグラップルにより、木材の高効率な積み下ろしを可能にする。
2015年:XPower ― 2種類の駆動方式を統合
2023年:L 507 E ― 初のバッテリー電動ホイールローダー
「L 507 E」は、静音性に優れ、排ガスゼロで環境に優しい電動ホイールローダー。都市部や騒音規制のある現場に最適で、従来機と同等のパフォーマンスを実現。
2024年:L 566 H ― 初の水素駆動大型ホイールローダー
2024年、ビショフスホーフェン工場は水素駆動の大型ホイールローダー「L 566 H」のプロトタイプを公開。ザルツブルク初の水素ステーションと共にお披露目され、電動駆動では対応困難な大型機への脱炭素ソリューションとして注目を集めた。
2025年:完全自動運転へ ― 運転手不要の時代