Jungheinrich (ユングハインリッヒ ):2025年7月21日:
売却価格は、ロシアの評価機関が算出した市場価値の最大40%までに制限されており、2024年12月末時点での帳簿価格を大きく下回る金額となる。この制約により、ユングハインリッヒは2025年通期の業績予想を下方修正した。
最新の業績見通しでは、2025年度の営業利益(EBIT)は従来予想の2億8,000万〜3億5,000万ユーロから、1億6,000万〜2億3,000万ユーロに引き下げられた。営業利益率(EBIT ROS)も5.3〜6.1%から、3.1〜3.9%へと下方修正された。
税引前利益(EBT)は従来の2億5,000万〜3億2,000万ユーロから、1億3,000万〜2億ユーロに修正され、EBT ROS(売上高税引前利益率)は4.8〜5.6%から2.6〜3.4%に低下する見込み。また、ROCE(使用資本利益率)は従来の10〜14%から5〜9%へ引き下げられた。
一方で、受注高および売上高の予想は変更されておらず、いずれも53億〜59億ユーロと見込まれている。フリーキャッシュフローも引き続き2億5,000万ユーロ以上を確保できる見通し。
なお、2025年6月末時点の中間決算は8月8日に公表される予定。
ユングハインリッヒは、倉庫用フォークリフトや自動搬送システム(AGV)などで欧州を中心に高いシェアを持つ。今回のロシア事業からの撤退は、地政学的リスクへの対応と経営資源の最適化を図るものとみられる。