・不活性ガス環境エンクロージャー工事を提供、納入は2025年末以降
西部技研(福岡県古賀市)は7月15日、電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の製造工場向けに、大型設備工事を受注したと発表した。受注金額は約8.2億円で、国内大手自動車メーカーが発注元。2025年第4四半期から2026年第1四半期にかけての納入を予定している。
同社が手掛けるのは、不活性ガス環境エンクロージャー工事。リチウムイオン電池の製造工程では、酸素などの反応性ガスによる酸化や加水分解を防ぐため、窒素などの不活性ガス環境が求められる。今回の工事では、製造装置を局所的に囲い、精密かつ安全な生産環境を実現する。
西部技研はこれまでもEV電池製造分野において、除湿機やVOC(揮発性有機化合物)濃縮装置などの機器に加え、最適な空間設計を含めたトータルエンジニアリングを提供してきた。これらの実績が高く評価されたことが、今回の受注につながったとしている。
なお、受注先や工場名、装置の具体仕様については、営業秘密保護の観点から非公開。受注先との資本関係や人的・取引関係はなく、関連当事者にも該当しない。
売上は2025年12月期および2026年12月期に計上される見込みで、2025年期の業績予想にはすでに織り込まれているという。
西部技研は、「環境に優しい空気のソリューションを届ける。」を掲げ、除湿機やVOC処理装置の分野でグローバルに事業を展開。世界約50カ国以上で販売・据付・保守サービスを行っている。