・大型鋼材リサイクル対応のガス溶断専用工場、技術者育成にも注力
リサイクル業を手がける平林金属(岡山市北区)は、鳥取県境港市に新たな加工拠点として「平林金属 境港工場(仮称)」を建設することを発表した。建設地は同社が所有する昭和町工業団地内の敷地で、2025年9月に着工し、2026年3月の竣工を予定している。
新工場は、産業機械などから排出される大型鋼材を対象に、専用設備によるガス溶断加工を行うリサイクル拠点となる。鉄鋼メーカーを中心とした再生資源の需要拡大に対応し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目的としている。
また、リサイクル業界で深刻化する技術者不足への対策として、同工場ではガス溶断の人材確保・育成にも取り組む。既存の山陰工場(鳥取県米子市)と比較して約1.5倍にあたる500㎡のガス作業スペースを確保するほか、快適な作業環境の整備も進める。
境港は、国の総合静脈物流拠点港(リサイクルポート)に指定されており、同社はこの地の地理的優位性を活かして、山陰地方のみならず全国から大型鋼材などのリサイクル資源を集荷・加工する方針。今後、鉄鋼原料の国内循環の強化にも寄与していく考えだ。
新工場の整備には、鳥取県の「産業未来共創補助金」を活用し、総事業費は約7.5億円を見込む。
<平林金属 境港工場(仮称)概要>
所在地:鳥取県境港市昭和町(昭和町工業団地内)
敷地面積:16,626㎡
建屋構造:鉄骨造1階建て
延床面積:753.9㎡(ガス作業場:500㎡、重機解体場:100㎡、事務所棟:153.9㎡)
予定事業費:約7.5億円(鳥取県の産業未来共創補助金を活用)
工期:2025年9月着工、2026年3月竣工予定