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アントファガスタ・ミネラルズ、センティネラ鉱山新プロジェクトでABBギアレスミルドライブ導入を推進

 ABB :2025年7月3日

 サンティアゴ(チリ)、チリの大手鉱山会社アントファガスタ・ミネラルズ(Antofagasta Minerals :AMSA)は、センティネラ鉱山で建設中の新たな銅選鉱プラントに、ABB製のギアレスミルドライブ(GMD)システムを導入する。先進的なGMD技術の採用により、現場の運用効率向上とリアルタイムデータの活用による意思決定の最適化、ダウンタイムの最小化が期待されている。

 ABBがカスタム設計した2基のGMDシステムは、スペイン・ビルバオで製造され、チリ北部のメヒジョネス港を経由してセンティネラ鉱山地区に輸送された。これらのシステムは、最終的な鉱石の粉砕工程を担うボールミルの駆動に不可欠な電磁場を発生させる役割を果たす。直径27フィート、出力19.6MWのリングモーターと、制御ブロック、3基のサイクロコンバータ変圧器を組み合わせ、過酷な砂漠環境下でも安定した高性能を発揮する設計となっている。

 GMDシステムの最大の特長は、鉱石の組成変動に即応できる可変速制御機能にある。これにより、オペレーターは鉱石の性質の変化に柔軟に対応し、工程の最適化や粉砕効率の向上、省エネルギー化、CO₂排出量の削減が可能となる。さらに、ABBのデジタル技術によってリアルタイムで多様な運転データが取得でき、突発的な故障の予防やメンテナンスの最適化、迅速な意思決定が実現する。リモート監視機能と組み合わせることで、ダウンタイムの最小化と生産性向上に大きく貢献する見通し。

 世界的な銅需要の拡大を背景に、センティネラ鉱山の拡張(ヌエバ・センティネラ)はAMSAの戦略的優先事項となっている。新たな選鉱プラントの稼働により、年間14万4千トンの銅増産と鉱山寿命の30年以上延長が見込まれる。AMSAは、既存インフラを活用しつつ生産性向上を図るため、スイス製のABBギアレスミルドライブを選択した。

 ABBは、電化・自動化分野のグローバルリーダーとして、140年以上の歴史と約11万人の従業員を擁し、持続可能で資源効率の高い産業の実現を目指す。今回のプロジェクトについて、ABBプロセスインダストリーズGMDグローバルビジネスラインマネージャーのウィルソン・モンテイロ氏は「南米鉱業分野における大きなマイルストーン」とコメントしている。

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