三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET)は7月4日、最大15%の水素混焼に対応する発電出力450kWのガスコージェネレーションシステムを新たに発売したと発表した。既存の都市ガス仕様機「SGP M450」をベースに、東邦ガスと共同で開発したもので、将来的な水素利活用を見据えた「水素レディ」パッケージも併せて提供する。
水素混焼率は最大15%(体積比)に設定。運転モードは都市ガス専焼と水素混焼の2種類があり、負荷運転中でも切り替えが可能。また、停電発生時でも都市ガスのみで始動できる設計により、BCP(事業継続計画)対策としても有効だという。
さらに、初期導入時には都市ガス専焼仕様で運用しつつ、将来的に水素混焼への移行を視野に入れた「水素レディ」パッケージも用意。あらかじめ必要機器を組み込んでおくことで、現地改造時の工事期間を短縮できる。
分散型エネルギー源であるガスコージェネは、カーボンニュートラル社会の実現に向けて重要な技術のひとつとされる。非常時の電源確保にも貢献するため、レジリエンス強化の観点からも注目されている。
MHIETは、水素利活用の拡大と分散型電源の普及を通じて、低・脱炭素社会の構築とインフラの強靭化に貢献していくとしている。