AGCO:2025年7月1日
米ジョージア州ダルース、農業機械大手の米AGCO(NYSE: AGCO)は7月1日、インドのトラクター大手Tractors and Farm Equipment Limited(TAFE)と、両社間の商取引、ブランド権益、持株構造などを巡る一連の懸案について包括的な合意に達したと発表した。これにより、長年にわたり継続していた係争や経営面での対立が解消される。
今回の合意により、両社はすべての商業契約を終了し、段階的な取引清算に移行する。加えて、インド、ネパール、ブータンにおける農機ブランド「マッセイ・ファーガソン(Massey Ferguson)」の商標権は、TAFEが独占的に保有することとなる。これにより、同地域におけるブランドの権利関係が明確化される。
法的係争もすべて取り下げられる予定で、今後のガバナンス体制にも大きな変更が加えられる。TAFEはAGCOの自社株買いプログラムに今後参加することに同意したが、現在保有するAGCO株(16.3%)の比率を超えて保有することはない。また、AGCOの株主総会では原則として取締役会の勧告に従って議決権を行使する。加えて、TAFEはAGCO取締役会への指名権を失い、AGCO側もTAFEの取締役を辞任させる。
さらに、AGCOが現在保有しているTAFE株は、総額2億6,000万ドルでTAFEが買い戻す。この株式の買戻しは、インド国内の法的手続き完了を条件に効力を発する。
AGCOの会長兼社長兼CEOであるエリック・ハンソティア氏は、「今回の合意により、両社の間にあったすべての懸案が友好的に解決されたことを嬉しく思う。これまでの商業的パートナーシップと、引き続き株主として支援を続けてくれるTAFEに感謝する」と述べた。また今後については、「当社は“ファーマー・ファースト”戦略のもと、農業経営の成果向上と株主価値の最大化に取り組む」と語った。
AGCOは本合意内容を米証券取引委員会(SEC)に提出する予定。
■AGCOについて
AGCO(本社:米ジョージア州ダルース)は、農業機械および精密農業技術の世界的メーカー・サプライヤー。Fendt®、Massey Ferguson®、PTx、Valtra®などのブランドを展開し、2024年の売上高は約117億ドル。トラクターからコンバイン、スマート農業ソリューションまで幅広い製品・サービスを提供している。