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千代田化工建設、浮体式洋上風力で仏エクウィルと協業へ 、国内市場での事業化に向け覚書締結

 千代田化工建設は7月2日、フランスの浮体式洋上風力発電専業企業Ekwil S.A.S(エクウィル)と、日本国内における浮体式洋上風力発電事業の協業に関する覚書を締結したと発表した。浮体構造物の設計や建設を含むEPCI(設計・調達・建設・据付)に向けた具体的な準備を両社で進める。

 エクウィルは、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産設備)大手のSBM Offshoreと、洋上LNGなどの実績を持つTechnip Energiesの合弁会社で、欧州やアジア太平洋地域での浮体式洋上風力発電の実績を有する。フランスでは3基(25メガワット)の実証事業でEPCIを一括受注し、韓国・蔚山沖での世界初の商用浮体式洋上風力発電所建設にも関与するなど、業界のトップランナーとされる。

 千代田化工はこれまで、再生可能エネルギー設備やLNG受入基地のEPCで豊富な経験を持ち、国内の着床式洋上風力発電分野でも2018年以降、複数の基本設計業務を手がけてきた。浮体式洋上風力でもすでに複数の検討業務を受注しており、エクウィルと協業することで、コスト競争力と実現性を兼ね備えた発電所の事業計画を共同で構築していく。

 両社の協力関係は2023年12月にさかのぼり、千代田化工とTechnip Energiesは同年12月に、日本国内の浮体式洋上風力発電所建設のフィージビリティスタディ(FS)に関するノン・エクスクルーシブな覚書を締結していた。今回の覚書では、エクウィルが保有する浮体構造技術のライセンスに基づき、設計・建造計画を進める。

 千代田化工は今後、浮体建造から調達、輸送、風車据付に至るまでの遂行計画やプロジェクトマネジメントの実務を通じて、同分野でのノウハウをさらに蓄積。安全性と実現性を備えた浮体式洋上風力発電所の社会実装を目指す。

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