「サイレントパイラー™」は、杭の引抜抵抗力を反力に利用し、油圧による静荷重で次の杭を圧入する独自の「圧入原理」を世界で初めて実用化した機械だ。無振動・無騒音、省スペース、仮設レスといった特長を持ち、CO₂排出の抑制や施工期間の短縮に貢献。災害対策や環境負荷の低減といった社会課題の解決に寄与してきた。
技研製作所は「公害対処」を創業理念に掲げ、社会課題の解決を事業の原点としてきた。サイレントパイラー™はその象徴的製品として、時代ごとのニーズに応じた進化を重ねてきた。近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)にも注力し、自動化・遠隔操作による労働力不足への対応を進めている。
大平社長は「サイレントパイラー™が50年にわたって多くの支持を受けてきたのは、関係者の支えと社員の努力の賜物」と述べ、「変化し続ける社会環境に応えるため、開発型企業として更なる挑戦を続けていく」と決意を語った。
技術革新は今もなお継続しており、最新モデルの「F302」は硬質地盤への対応力を高めた高性能機種だ。今後は建設現場のデジタル化を進めるとともに、新たな工法や製品の開発にも注力し、グループ全体での価値創造を図る方針。
さらに同社は、宇宙建設への応用も視野に入れている。政府の「宇宙開発利用加速化戦略プログラム(スターダストプログラム)」に参画し、月面での圧入施工の可能性を探る研究開発を進行中。月面地盤から得られる情報は、将来的な建造物の基礎設計にも役立つとされ、地上での建設技術の高度化にもつながる可能性がある。
地球上の厳しい施工条件に対応してきた「サイレントパイラー™」は、次の50年で“宇宙の建設機械”として新たな舞台に挑む。技研製作所は今後も、持続可能な社会の実現に向けて、オンリーワンの圧入技術を軸とした革新と進化を続けていく構え。
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