フランクフルト=2025年6月17日
IFR会長の伊藤孝幸氏は「欧州の自動車産業は、この地域で最もロボットを導入している業界です。年間の製造業全体の導入の約3分の1を占めています」と述べた。北米の導入台数が1万9,200台だったのに対し、欧州の自動車業界では2万3,000台と大きく上回った。
■世界トップのロボット密度
自動車製造分野における自動化水準を示すロボット密度(1万人の工場労働者あたりのロボット台数)では、欧州諸国が上位を占めている。2023年の世界ランキングで、スイスが3,876台で首位。スロベニア(1,762台)が3位、ドイツ(1,492台)が6位、オーストリア(1,412台)が8位、フィンランド(1,288台)が9位、ベネルクス諸国(1,132台)が10位に入った。
■EUが地域をリード
スイスを除く上位国はすべてEU加盟国であり、欧州連合(EU27)は地域全体の導入台数の約85%を占めた。国別ではドイツが約30%と最多で、次いでイタリア(約10%)、スペイン(約6%)となっている。2019年から2024年にかけて、欧州でのロボット導入の年平均成長率(CAGR)は+3%だった。
■IFRラウンドテーブル、6月25日に開催
IFRは6月25日、ミュンヘンで開催される見本市「automatica 2025」にて、エグゼクティブラウンドテーブルを開く予定。会合では、世界的な不確実性が増す中でのレジリエンス強化や、各国政府が取るべき施策、ロボット技術が欧州の競争力維持と新市場の創出に果たす役割などが議論される見通しだ。
▶ IFRラウンドテーブル情報:https://ifr.org/roundtable