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日精樹脂工業、第五次中期経営計画を発表、デジタル基盤強化で成形業界の新たな価値創出へ

 日精樹脂工業は6月30日、2025年度(2026年3月期)から3ヵ年を対象とする「第五次中期経営計画」を策定したと発表した。主眼は、同社と顧客をデジタルで結ぶ新たなプラットフォームの構築。脱炭素社会の実現や循環型経済への貢献といった社会課題に応えるとともに、プラスチック射出成形の分野における新たな付加価値創出を図る。

 同社は創業以来、成形現場を原点に、専門技術の深化と応用を重ねてきた。近年では、省エネ・省スペース化に優れた低圧成形法の開発が進み、大型成形機分野における新用途展開の糸口となった。こうした成果を踏まえ、今後は単なるIoT連携を超えた、情報格差の解消や製品開発の迅速化を支える仕組みづくりに取り組む。

■計画期間中の重点施策は以下の5点。

1.成形条件のデジタル化と業務効率化

 従来は熟練工の経験に依存してきた成形条件の設定を自動化し、省人化と作業効率の向上を目指す。DXを通じ、煩雑さの少ない新たな成形スタイルを提案する。

2.グローバル展開と地政学的リスクへの対応

 米国での超大型成形機の現地生産、中国での自動車・医療分野への進出、インド新工場によるBOP市場対応、そしてドイツを軸とした欧州でのシェア拡大と、地域ごとの最適戦略を推進する。

3.循環型社会に向けた技術開発

 PLA(ポリ乳酸)や間伐材を活用した成形技術の高度化を進め、独自技術によるサステナブルなビジネスモデルの確立を図る。

4.人的資本の強化と多様性への対応

 デジタル分野に強い人材の採用と育成を強化し、多様な人材による組織の活性化と競争力向上を狙う。 

5.資本コストと株主還元を重視した経営

 株式市場の評価分析を通じて経営課題を明確化し、企業価値の向上と株主への適切な還元を目指す。

 数値目標としては、2028年3月期に売上高600億円(2025年度比約36%増)、営業利益30億円(同3倍)を掲げる。営業利益率も5%への改善を目指す。

<数値計画>

 2026年3月期計画 /2027年3月期計画 /2028年3月期計画

連結売上高 :44,200百万円 /51,300百万円 /60,000百万円

連結営業利益 :1,000百万円 /1,550百万円 /3,000百万円

連結営業利益率 :2.3% /3.0% /5.0%

 同社は「お客様の利得につながることを一つひとつ着実に実現し、成形業界の持続的な発展に貢献していく」としている。

 概要については、添付資料を参照

 

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