・舗装現場の自動化技術「ASTRA」第1弾、オペレータの負担軽減と生産性向上を実現
住友建機は6月16日、舗装現場の自動化技術「ASTRA(アストラ)」シリーズの第1弾として、自動ステアリング・スクリード伸縮装置を搭載した新型アスファルトフィニッシャ「ASTRA 1.0」を6月18日に発売すると発表した。
■日本道路との共同開発で実用化
住友建機では、生産性・安全性・舗装品質の向上を目指す「舗装現場の自動化技術」に「ASTRA」というペットネームを付けており、今回の「ASTRA 1.0」はその記念すべき第1弾となる。
■ステレオカメラで道路形状を自動認識
「ASTRA 1.0」の最大の特徴は、アスファルトフィニッシャの左右に取り付けられたステレオカメラにある。このカメラシステムが舗装現場に設置された型枠や切削面、縁石などの構造物の段差を検知し、道路形状を自動認識する。認識した情報を基に、ステアリング操作とスクリード伸縮操作による舗装幅の調整を自動で実行する仕組みだ。
従来のICT舗装装置で必要だった3D測器や設計データは不要で、現場で機器を装着すればすぐに舗装作業を開始できる画期的なシステムとなっている。
■3つの主要な特長
1. 施工現場の生産性向上
自動化により、オペレータの作業負担を大幅に軽減。オペレータは他の重要な作業や操作に集中できるため、舗装品質や安全性の向上とともに、省力化や生産性の大幅な改善が期待できる。
2. 簡易な操作性を実現
複雑な機器の取り付けや現場ごとのキャリブレーションは基本的に不要で、基本操作はスイッチのON/OFFのみ。機械操作の経験が少ないオペレータでも容易に扱えるため、建設業界の慢性的な人手不足の解消にも寄与する。また、必要に応じて手動操作による微調整も可能で、利便性と正確性を両立している。
3. 高い汎用性
型枠、縁石、切削面、ホットジョイントなど、舗装端に段差があればほとんどの舗装現場で使用可能。3D測器のような舗装途中での設置替えも不要なため、長距離の舗装作業にも手間なく対応できる多様性の高い装置となっている。
■販売概要
発売日: 2025年6月18日
販売価格: 7,680~8,100万円(ASTRA 1.0オプション付本体税別価格)
販売目標: 年間20台
なお、ASTRA 1.0は単体での販売や既存機体への後付けはできず、新型アスファルトフィニッシャとのセット販売のみとなる。価格は本体仕様により異なる。
■建設業界のDX推進に貢献
今回の「ASTRA 1.0」の発売は、建設業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の一環として注目される。人手不足が深刻化する建設現場において、自動化技術の導入は生産性向上と働き方改革の両面で重要な役割を果たすことが期待されている。
住友建機では今後も「ASTRA」シリーズの開発を継続し、舗装現場のさらなる自動化・効率化に取り組んでいく方針。