Cummins (カミンズ):2025年6月26日
発電機やエネルギーソリューションを手がけるカミンズ・インディア(Cummins India Limited、プネ市)は、バッテリー・エネルギー貯蔵システム(BESS:Battery Energy Storage Systems)の発売を発表した。再生可能エネルギーの導入拡大と電力インフラの安定化に貢献する製品で、同社の「Destination Zero(脱炭素社会への道)」戦略の一環として位置づけられている。
新製品のBESSは、太陽光や風力といった断続的な再生可能エネルギーを既存の電力インフラにスムーズに統合するためのシステムで、製造業、データセンター、商業施設、鉱業など多様な産業分野での活用が期待されている。ピーク電力の削減(ピークシェービング)やエネルギーの時間移行(シフト)を可能にし、再生可能エネルギーの利用最適化とコスト削減を実現する。
カミンズ・インディア社のマネジングディレクター、シュヴェタ・アーリヤ氏は次のように述べた。
「インドは現在、気候変動への取り組みや再生可能エネルギーの急速な普及により、エネルギーミックスの大転換期を迎えています。当社のBESSは、この変革を支える重要な技術であり、持続可能なエネルギーエコシステムの基盤となります。2050年までのカーボンニュートラル実現に向け、私たちはその歩みに貢献していきます」
また、ディストリビューション事業担当副社長のパンカジ・カプール氏は、「電力の安定供給が求められるなか、顧客はエネルギーコスト管理や電力品質の改善に向けたよりスマートな手段を探しています。BESSはそのニーズに応えるとともに、カミンズのグローバルな知見とサポート体制で、長期的な価値提供を目指します」と語った。
■主な特徴は以下の通り:
• モジュール設計と拡張性:10フィートおよび20フィートのコンテナ型で、200kWh~2MWhの出力に対応。設置面積を最小化しつつ、高エネルギー密度と完全なAC出力統合を実現。
• 先進的な電池技術:安全性と長寿命に優れたリン酸鉄リチウム(LFP)電池を採用。
• 高効率の熱管理:液冷式の温度管理機構でバッテリーの性能を最適化し、寿命を延長。
• 国際的な安全認証:厳格な国際基準を満たし、3層構造の防火システムを搭載。
• 簡便な設置・運用:プラグアンドプレイ方式で、輸送・設置が容易。
• 充実のサポート体制:全国480カ所超のサービス拠点による運用支援と保守体制。
今回のBESS投入により、カミンズ・インディアは再生可能エネルギーの活用と電力の信頼性向上に向けた取り組みをさらに加速させる構えだ。
同社は1962年設立。インド国内に5つの製造・組立・流通拠点を持ち、発電、アフターマーケット、輸出事業を展開。従業員は約3,000人で、顧客第一の姿勢を軸に「より良い世界を、より力強く前進させる」ことを使命としている。