同社は2026年に創業90周年を迎えるのを前に、経営環境の不確実性が高まるなかで、迅速な意思決定を可能とする体制を構築することを今回の異動の理由としている。顧客ニーズの多様化・高度化への対応と、グローバル企業としての競争力強化を図る方針。
新社長に就任した杉野岳氏は1974年生まれ。良暁氏の実弟。1997年に京都大学を卒業後、2001年にスギノマシンへ入社。新規事業開発本部長、経営企画本部長、常務執行役員、副社長執行役員などを経て、2023年に代表取締役副社長に就任していた。
岳氏は社長就任にあたり、「これまでの延長線上の経営では生き残れない。地政学的リスク、人口減少、環境問題、DXやAIなどの変化に対応し、当社が世界中で必要とされ続ける存在であるために、次の100年を見据えた新たなスギノマシングループを築いていきたい」と決意を表明した。
スギノマシンは、高圧水技術を活かした洗浄・剥離・切断装置や微細加工装置などの開発・製造で知られ、精密機械、自動車、医療、電子部品など多様な分野で活躍する。今後も「グローカルニッチリーダー戦略」を掲げ、地方発の技術で世界のニッチ市場をリードする企業を目指すとしている。