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ジョンディア、大型林業機械「Hシリーズ」を発表、燃費性能と生産性を大幅向上

 Deere & Company(ディア社):2025年6月24日

 米イリノイ州モリーン、米ジョンディア(John Deere)は24日、林業機械の新型「Hシリーズ」を発表した。新たに投入されるのはホィール式ハーベスタ「1270H」「1470H」とフォワーダ「2010H」「2510H」の計4モデル。いずれも燃費効率の向上と高出力・高性能を両立しており、林業現場の生産性と作業快適性を飛躍的に高める最新技術が搭載されている。

■高出力・低燃費の両立で、現場の生産性を革新
 Hシリーズのハーベスタ「1270H」「1470H」は、従来機(Gシリーズ)に比べてエンジン出力とトルクが向上し、伐採作業のサイクルタイムを短縮。油圧システムは専用の3ポンプ構成となり、フィードローラーやソー、ブームの動作にそれぞれ最適なパワーを供給する。これにより、処理能力の大幅向上と、1立方メートルあたりの燃料消費量の低減を実現した。

 一方、フォワーダ「2010H」「2510H」は、積載能力が従来比で25%増加。新開発のF9/F10ブームは最大10.7mのリーチを誇り、高いリフトトルクと安定した材搬送を可能にする。新型フレームロックにより、傾斜地や不整地でも高い安定性を確保している。

■作業快適性を追求した運転環境と自動化技術
 オペレータの快適性にも配慮が施された。Hシリーズ専用キャビンは視界を広げる大型ガラスを採用し、騒音の低減やキャビンの旋回・自動水平調整機能も搭載。操作系はエルゴノミクス設計で、プログラム可能なジョイスティックや高音質スピーカーも備えた。さらに、「インテリジェントキャビンキー」により、個々のオペレータ設定が自動で読み込まれる。

 また、林業機械向けソフトウェア「TimberMatic H Automation」も刷新され、昼夜モードの切り替えや作業現場のマッピング、リアルタイムのデータ共有に対応。保守性も向上し、集中給脂装置、電動オイルレベルセンサー、補給ポイントの集約などでダウンタイムを最小限に抑える設計となっている。

■新型ヘッド「H216」も投入
 ハーベスタ向けには、新たに「H216ヘッド」も用意された。従来のH270を置き換える2ローラー構成のユニットで、広葉樹・針葉樹の両方に対応可能。トップソーの追加、先端検知用レーザーセンサー、高性能フィードモーターなどが特徴で、精密かつ高速な伐倒作業を支える。1270Hには8.6m・10.0m、1470Hには最大11mまでのブームリーチオプションが用意される。

 ジョンディアでは「Hシリーズの投入は林業機械の新たなスタンダードを築く一歩だ」と述べており、今後の林業現場における効率化と環境対応を同時に実現する旗艦モデルとしての展開を図る。

 詳しくはジョンディアの公式ウェブサイト(www.johndeere.com)または各地の販売代理店まで。

■ジョンディアについて
 1837年に鋼鉄製プラウの製造から始まったジョンディアは、現在では農業、建設、林業、芝管理、パワーシステムなど多様な分野でグローバルに展開。持続可能な社会の実現に向けて、世界中の「食・繊維・燃料・インフラ」生産を支えている。

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