加藤製作所は6月20日、中国・江蘇省昆山市にある連結子会社「加藤(中国)工程机械有限公司」の全持分を、中国国内の民間企業に譲渡すると発表した。あわせて、同子会社が保有する売上債権の一部を放棄することも明らかにした。
同社は2024年7月、加藤(中国)工程机械の解散・清算を決議していたが、その後、資産処分の方針を見直し、中国企業と持分譲渡について基本合意に達したことから、清算を取りやめ持分譲渡に転じた。譲渡先企業名は守秘義務により非公表。
加藤(中国)工程机械は2004年に設立され、油圧ショベルなどの製品と部品を製造・販売してきた。資本金は6,250万米ドルで、加藤製作所が100%出資していた。直近の2025年3月期には売上高17億円を計上したが、親会社株主に帰属する当期純損失は約49億円にのぼっていた。
譲渡実行は2025年8~9月を予定しており、最終的な譲渡価額は、同社が事業終了に要する費用を控除したうえで残存する流動資産を加味して算出される予定。今回の譲渡益は、同社の2026年3月期業績予想には織り込まれておらず、今後修正が必要になった場合は速やかに開示する方針。
一方、加藤製作所は同日、加藤(中国)工程机械が取引先に保有する売上債権のうち、回収見込みの薄い部分について放棄することを決定。放棄額は5億9,243万7,000元(約118億円)で、連結純資産に対する割合は26.5%に達する。ただし、これらの債権については過去に貸倒引当金を計上済みであるため、今回の債権放棄による2026年3月期の業績への直接的な影響はないとしている。
加藤製作所は、同社を含む中国子会社2社の清算に伴い、2025年4月には現地拠点のあった昆山市と厦門市に連絡事務所を新設。今後も現地顧客やサプライヤー支援を継続する方針。