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日立建機、ARAVの自動化システムに油圧ショベル「RBT Core Connect」を適用へ

・自動運転システムを保有しない建設現場でも、油圧ショベルによる自動化施工が可能に

 日立建機は6月17日、スタートアップ企業のARAV(東京都文京区)と、同社製の遠隔・自動運転用油圧ショベル「RBT Core Connect」2機種(20トンクラスのZX200A-7と30トンクラスのZX330A-7)を、ARAVが開発する自動化システム「ヨイショ投入くん」に適用することで合意したと発表した。これにより、自社で自動運転システムを保有していない顧客も、同システムを用いた自動施工の導入が可能になる。両社は2026年度中の市場投入を目標に、日本市場に向けた展開を目指す。

 建設業界では、生産年齢人口の減少や熟練技能者の高齢化に伴い、省人化と生産性向上が喫緊の課題となっている。建設機械の遠隔操作や自動運転への関心は高まりつつあるものの、導入には自社でのシステム構築が必要である点が普及の障壁となっていた。

 「RBT Core Connect」は、外部の自動運転システムとの接続が可能な電子制御式油圧ショベルで、遠隔操作や自動制御に対応する高度なインターフェースを搭載している。この機能により、「ヨイショ投入くん」との接続を実現し、自動運転機能を持たない顧客にも掘削・投入作業の自動化を提供できるようになる。

 ARAVが開発する「ヨイショ投入くん」は、電子制御式油圧ショベルへの後付けで掘削・投入作業を自動化するシステム。作業員の安全性向上や省人化への貢献が見込まれる。なお、同システムは日立建機以外の機種にも対応しており、今後は順次、適用機種の拡大を図るとしている。

 日立建機は、遠隔・自動化施工の普及に向け、仮想空間で現場を再現する「リアルタイムデジタルツイン基盤」の開発をはじめ、スタートアップとの連携によるオープンイノベーションを推進してきた。ARAVとの協業もその一環であり、今後も多様なパートナーと連携し、「RBT Core Connect」を軸とした新たな施工ソリューションの提案を進める方針だ。

■日立建機について
 日立建機は、東京都台東区に本社を置く、建設機械および鉱山機械の大手メーカー。1951年の設立以来、油圧ショベルやホイールローダ、道路機械、鉱山用機械などの開発・製造・販売・サービスをグローバルに展開している。特に油圧ショベル分野では高い信頼性と操作性を武器に、国内外で高いシェアを誇る。
 新車販売に加え、部品・サービス、再生(部品・本体)、レンタル、中古車などを含む「バリューチェーン事業」を強化し、顧客の多様なニーズに応えるソリューションを提供。2024年度(2025年3月期)の連結売上収益は1兆3,713億円、海外売上比率は84%に達し、従業員数は世界で約26,000人にのぼる。
 また、建設現場のデジタル化や自動化を見据えた技術開発にも注力しており、リアルタイムデジタルツインや遠隔操作技術など、次世代の施工ソリューションを積極的に推進している。
 
 画像: 「RBT Core Connect」(上)とARAVの「ヨイショ投入くん」(下)の操作イメージ

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