・研究開発・本社移転などに支援策
神奈川県は6月5日、企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」に基づき、新たに4社の事業計画を認定したと発表した。対象は、日本ゼオン、横浜車輌工業、CSAグループジャパン、アンドールシステムサポートの4社で、研究所や本社・工場の新設などを通じて地域経済の活性化と雇用創出を図る。
日本ゼオン(東京都千代田区)は、川崎市川崎区に合成ゴムや高機能樹脂、特殊化学品などの研究所を新設する。投資額は172億円に上り、250人の新規雇用を予定。稼働開始は2027年6月を見込む。県は先端素材関連産業として、企業立地促進補助金や不動産取得税の軽減措置などを通じ支援する。
また、横浜市都筑区に本社を置く横浜車輌工業は、横浜市栄区に本社工場を新設。特殊車輌のカプラ架装などを手がける同社は、受注増に対応する体制強化を図る。計画では約75億円を投じ、53人を新規雇用。2027年8月の稼働を目指す。
一方、神奈川県内初進出となるのが、CSAグループジャパン(東京都文京区)とアンドールシステムサポート(東京都品川区)の2社。CSAは横浜市西区みなとみらいに本社を構え、産業機器やヘルスケア製品に関する試験・検証サービスを展開する。アンドールは川崎市幸区に本社を設け、物流や組込みシステムの開発を進める。
この2社には、県の企業誘致促進賃料補助金(賃料の1/3)などが適用され、IT・エレクトロニクス関連産業としての定着が期待される。
県は「セレクト神奈川NEXT」を通じて、成長産業の集積と地域経済の底上げを目指しており、今後も立地支援の強化を進める方針だ。
■企業立地支援事業の認定企業
(企業名/対象産業/立地場所/計画内容/投資額)
・日本ゼオン株式会社/先端素材関連産業/川崎市川崎区夜光1-2-1/研究所の新設(県内再投資)/172億3,100万円
・横浜車輌工業株式会社/輸送用機械器具関連産業/横浜市栄区金井町字守屋20/本社・工場の新設(県内再投資)/75億4,400万円
■企業誘致促進賃料補助事業の認定企業(本社の新設に対する賃料支援)
・CSAグループジャパン株式会社/IT・エレクトロニクス関連産業/横浜市西区みなとみらい3-3-3(横浜コネクトスクエア12F)/本社の新設(県内初進出)/―(賃料補助対象)
・アンドールシステムサポート株式会社/IT・エレクトロニクス関連産業/川崎市幸区堀川町66-2(興和川崎西口ビル8F)/本社の新設(県内初進出)/―(賃料補助対象)