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日立建機とデルフト工科大学、鉱山機械の研究で協力

 オランダ・アムステルダム、2025年5月27日 – オランダのデルフト工科大学(TU Delft)と日立建機ヨーロッパ(HCME)は、鉱山機械のメンテナンスに関する重要な共同研究プロジェクトで協力することで合意した。超大型油圧ショベルやダンプトラックの世界的なメーカーである日立建機は、2年間の研究期間中、貴重なデータと専門知識をオランダ最大の公立工科大学と共有する。

 この研究の目的は、鉱山機械の主要コンポーネントの残り寿命を特定し、予測することにある。これにより、部品交換が必要になる前にエンジニアがメンテナンス計画を立てることが可能となり、世界で最も過酷な環境で稼働するダンプトラックの稼働率、信頼性、および安全性の向上に貢献する。また、運用停止時間とライフサイクルコストの大幅な削減にもつながる。

 今回の提携の一環として、HCMEの鉱山オペレーション向けデジタルソリューションチームは、現場で稼働する機械から収集された複雑なデータを共有する。主要コンポーネントにはセンサーが搭載されており、温度や圧力などの指標に関する詳細な情報が収集・分析される。

 研究は、デルフト工科大学地球科学・工学部地球資源部門の制御・自動化エンジニアであり博士課程候補者であるマリヘ・ゴリ氏が主導する。このプロジェクトは、同部門と航空宇宙工学部内の「Intelligent Sustainable Prognostics Group」が共同で監督する。

■予知保全戦略の推進
 ゴリ氏は、ポンプ、シリンダー、ブレーキなどのコンポーネントの劣化傾向を捉える堅牢なモデルの構築を目指している。  
 HCMEから提供される状態監視データにより、彼女はモデルを改善し、コンポーネントが故障する時期についてより正確な推定を提供できるようになる。この情報は、予知保全戦略を策定するために活用される。
 HCMEの鉱山プロジェクトおよび持続可能な鉱山部門マネージャーであるダーン・ファン・ベルケル氏は、この研究の意義について次のように説明している。「トラックが整備工場に入る時期をより正確に計画し、必要となる部品を事前に手配できるようになります。さらに、問題が発生する前に潜在的な問題に対処することで、他の部品も損傷させ、機械を数週間稼働停止させる可能性のある重大な問題のリスクを低減できます。」
 ゴリ氏によると、HCMEからの支援はこの研究の進展に不可欠だった。「詳細な故障記録、メンテナンスログ、センサー測定値を含む大規模な実世界のデータセットにアクセスできたことで、コンポーネントの劣化に関する正確なデータ駆動型モデルの開発が可能になりました」と述べている。
 データに加えて、HCMEデジタルソリューションチームは、ゴリ氏とデルフト工科大学の同僚に集合的な専門知識も共有している。「彼らの継続的な協力と、コンポーネントの挙動に関する貴重な技術的洞察には心から感謝しています。これらはモデルの開発と解釈を導く上で極めて重要でした」と彼女は付け加えた。

 固有名詞のスペルなどは、ニュースリリース参照願います。

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