・25年度予想は7.7%増の570億円、営業利益は88.1%増の17億円
2024年度におけるわが国経済は、輸入物価上昇の影響はあるものの、雇用所得環境の改善を背景に景気は緩やかに回復した。一方、世界経済は、各国の通商政策等の影響により一部に弱含みの動きもみられ、ウクライナ問題および中東情勢等の地政学リスクに加え、中国経済における不動産市況の低迷が長期化する等、依然として不透明な状況が続いている。
積極的に推進した。
加藤製作所2025年3月期データ
■セグメント別の経営成績
① 日本
国内向け油圧ショベル等の売上高は、競争激化による影響を受けたものの、76億2千万円(前年同期比97.7%)と前期比同水準となった。海外向け油圧ショベル等は、米国向け販売が大統領選挙に伴う需要引締まりによる影響を受け、売上高は44億9千5百万円(前年同期比54.3%)と前期比減収となった。
以上を含めた日本の売上高は466億5千3百万円(前年同期比91.1%)、セグメント利益は6億2千1百万円(前年同期比30.7%)となった。
② 中国
中国は、不動産市況の低迷長期化により厳しい販売環境が継続しているなか、期中に解散を決議した現地子会社の在庫製品の販売注力により、売上高は27億3千7百万円(前年同期比119.1%)となり、セグメント損失は6千3百万円(前年同期はセグメント損失12億1千万円)となった。
③ 欧州
欧州は、需要減少により売上高は47億8千7百万円(前年同期比84.8%)と減収し、原材料高騰の影響を受けセグメント損失は1千1百万円(前年同期はセグメント利益7千1百万円)となった。
④ その他
その他地域は、欧州セグメントを分離したことにより売上高は発生せず、セグメント損失は5百万円(前年同期はセグメント損失7千6百万円)となった。
■主要品目別売上高の状況
① 建設用クレーン
② 油圧ショベル等
国内売上高は、競争激化による影響を受けたものの、76億2千万円(前年同期比97.7%)と前期比同水準、海外売上高は米国向け販売が大統領選挙に伴う需要引締まりによる影響を受け、107億3千8百万円(前年同期比74.0%)となった。よって、油圧ショベル等の売上高は183億5千9百万円(前年同期比82.3%)となった。
③ その他
その他の売上高は10億6千3百万円(前年同期比111.3%)と前期並みの水準で推移した。
■今後の見通し
2026年3月期連結業績は、売上高570億円(前期比 7.7%増)、営業利益17億円(88.1%増)、経常利益12億 円(14.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億円を予想している。
2024年度決算は中国事業の見直しに伴う子会社整理損を計上した影響により親会社株主に帰属する当期純利益は一時的に悪化した。これに対し2026年3月期の連結業績予想については、米国における関税政策など不透明な事業環境は継続し、国内外市場における急激な需要増加は見込めないものの、前期市場投入が遅れた高価格帯の大型ラフテレーンクレーン新型車の期初からの販売に加え、期中からインド事業による増収が期待できる。最終損益については、一過性の損失を計上した前期から大幅に改善する見込みであり、前中期経営計画からの施策効果に加え、同年から開始する中期経営計画の各施策を遅滞なく推進していくことで今後の連結業績と資本収益性は確実に向上していくものと認識しているとしている。
加藤製作所の2025年3月期決算短信
決算説明資料