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神戸製鋼、24年度の建設機械(コベルコ建機)売上は4.0%減の3,880億円、25年度予想は3.1%増の4,000億円

 神戸製鋼所が5月12日に発表した2025年3月期(2024年度)連結業績によると、建設機械部門(コベルコ建機)の売上高は、前年度比4.0%減の3,880億円となり、経常利益は、固定費を中心としたコストアップがあったものの、価格転嫁の進展やエンジン認証問題に関する補償金収入等により、前年度比96億円増益の187億円となった。
 油圧ショベルの販売台数は、金利の高止まり等により、北米、欧州の需要が低迷したこと等から、前年度を下回った。販売台数は、前年度比17.5%減の20,300台(前年度:24,600台)。うち国内は6,600台(同:8,100台)、海外は13,700台(同:16,500台)。
 一方、クローラクレーンの販売台数は、エンジン認証問題対応の進展等で北米を中心に増加したことにより、前年度を上回った。販売台数は、前年度比18.7%増の374台(前年度:315台)だった。
 なお、固定資産減損損失として160億円を計上した。2020年~22年度にかけて発生したエンジン認証問題により、日本・米国・欧州市場向けの油圧ショベルを製造するコベルコ建機の事業活動に制約を受けたもので、製品の再上市に取り組んできたものの、日本や欧州の需要減少もあり、収益性の回復には至っていない。コベルコ建機では、製品ラインアップの強化や販売体制の増強に取り組むとともに、ストック・コトビジネスの強化を進めていく。また、コストダウンや、需要増減に柔軟に対応できる生産体制への見直しを進めていく。
 2025年度の見通しについては、油圧ショベルの販売台数は、欧州、中国での需要回復や欧州でのエンジン認証問題の段階的な解消により、2024年度を上回るものと想定している。販売台数は、国内海外合わせて前年度比8.4%増の22,000台を見込む。
 地域別によると、日本は、建設機械の価格高騰による入替需要の低迷等により、2024年度並み。中国は、政府の景気刺激策等により、2024年度比増加。北米 インフレの継続、住宅着工数の減少等により、2024年度比減少。欧州は、金利の低下による需要回復等により、2024年度比増加。東南アジアは、インドネシア、タイでの需要回復等により、2024年度比増加すると見込んでいる。
 クローラクレーンの販売台数は、北米で需要の減少が見込まれること等から、2024年度を下回るものと想定、販売台数は前年度比9.1%減の340台を見込む。
 2025年度売上高は4,000億円(前年度比3.1%増)と増収を見込むものの、経常利益は固定費を中心としたコストの増加やエンジン認証問題に関する補償金収入の剥落等により、95億円(同49.2%減)と減益となる見通し。
 
 神戸製鋼所の2025年3月期決算短信
 2024年度決算説明資料

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