日立エナジーは5月12日、中華人民共和国(以下、中国)最大の送配電事業者である国家電網公司(State Grid Corporation of China、以下 SGCC)から、同社の華中支社の実証プロジェクト向けに、550kV で世界初*1 となる
SF6(六フッ化硫黄)ガスフリーのガス絶縁開閉装置(以下、GIS)を受注したと発表した。
*1 2025 年 5 月 7 日時点 日立エナジー調べ
SF6 ガスは高い絶縁性能を有しており、パワーグリッド分野で長年にわたって使用されてきた。しかし、地球温暖化係数が CO2 の 24,300 倍と高く、漏えいした場合の大気中の残存期間も 1,000 年以上と長期にわたるため、環境保護の観点から SF6 ガスフリー機器への移行が求められている。EconiQ GIS は、SF₆ガスを持続可能な混合ガスで置き換えることにより、従来の機器同様の高い性能とコンパクトな設計を維持しながら、温室効果ガスの排出量を低減することが可能。
SGCC は、世界最大の送配電事業者であり、中国の土地の約 88%にわたり 11 億人以上に電力を供給している。同社は、エネルギー業界のリーダーとして持続可能性へのコミットメントを強化し、カーボンニュートラル実現に向けた意欲的な行動計画を推進している。日立エナジーは、2022 年から EconiQ の 145kV ガス絶縁開閉装置およびがいし形遮断器を SGCC に提供している。
SGCC 華中支社の関係者は、「SGCC は近年、送配電網設備における温室効果ガス排出量削減と、クリーンかつ低炭素な技術の開発に取り組んでいる。SF₆代替ガスを使用することで、温室効果ガスの使用と排出を効果的に削減できます。本件は世界初の SF6 ガスフリー550kV GIS の実証プロジェクトであり、華中支社にとって非常に重要なもの。中国の二つの環境目標達成に向けて、電力分野におけるクリーンな変革に貢献します。」と述べている。
日立エナジーのハイボルテージプロダクツビジネスユニット担当役員であるマルクス・ハイムバッハは、「世界初の SF6 ガスフリー550kV GIS の導入は、持続可能かつ効率的な送配電網を実現する上で重要なマイルストーンであり、この画期的なプロジェクトで SGCC と協力できることを嬉しく思います。当社は、高電圧技術の専門知識を生かし、環境に配慮しつつも信頼性の高い高電圧開閉装置への需要の高まりに応え、より持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムへの移行に貢献しています。」とコメントしている。
日立エナジーは、環境効率の高い高電圧製品の開発が活発化する中、持続可能で信頼性の高いソリューションの需要増加に対応できるよう取り組んでいる。
EconiQ シリーズには、がいし形遮断器、ガス絶縁開閉装置、ガス絶縁送電線路、単体遮断器など、さまざまな電圧レベルの SF6 ガスフリー製品が含まれています。日立エナジーは、これらの包括的な製品群により、送配電事業者の既存設備や新規導入設備に持続可能性をもたらし、脱炭素化を支援する。
■日立エナジーについて
日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来を支える革新的な送配電網技術を提供する、グローバルな技術リーダーです。当社の技術は、30億人以上の人々の生活を支えています。高電圧機器、変圧器、自動化、パワーエレクトロニクスなどのミッションクリティカルな技術を 100 年以上にわたって提供しており、電力システムの脱炭素化と電力需要の急増への対応という、エネルギー分野の喫緊の課題に取り組んでいます。140 カ国以上の豊富な導入実績を有し、電力、産業、運輸、データセンター、インフラの各分野のお客さまと、長期的なパートナーシップを築いています。スイスに
本社を置き、60 カ国に 50,000 人以上の従業員を擁しており、約 2 兆 4,000 億円の事業規模を有しています。
■日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの 4 セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略 SIB ビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumada をコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の
課題を解決します。2024 年度(2025 年 3 月期)売上収益は 9 兆 7,833 億円、2025 年 3 月末時点で連結子会社は 618 社、全世界で約 28万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.co.jp を参照。
ニュースリリース
*リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。