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JFEエンジニアリング、フィリピンで橋梁耐震補強工事を受注

・首都マニラで最大の幹線道路橋梁 大規模改修事業

 JFEエンジニアリング(東京都千代田区)は4月7日、フィリピン共和国 公共事業道路省から「マニラ首都圏主要橋梁耐震補強工事」を受注したと発表した。

 同国は、東南アジアにおいて最も自然災害の多い国の1 つであり、なかでも、環太平洋火山帯に位置するという地理的特性により、大規模地震の被害が多く、主要都市圏の幹線道路上の複数の大規模橋梁について、損壊の可能性が高いことが調査により明らかになっている。

 同工事の対象である2つの橋梁(グアダルーペ橋、ランビンガン橋)(以下:2橋)はいずれもマニラ首都圏の主要幹線道路上にあり、交通渋滞が深刻となっている。

 同工事では、2橋に対し、耐震性向上のための架替および補強工事を実施する。この2 橋はマニラ首都圏を分断するパッシグ川を渡河する要路にあるため、経済活動や周辺住民の生活上重要で、災害が発生した場合に早期復旧が必要であり、本工事によりマニラ首都圏における安定的かつ持続的な経済活動の活性化に寄与することが期待されている。
 
 また、同工事は日本国政府による有償資金協力事業(ODA)であり、我が国の優れた技術やノウハウを活用し、開発途上国への技術移転を通じて我が国の「顔が見える援助」を促進するため「本邦技術活用条件(STEP)」が採用された。

 特に交通量の多いグアダルーペ橋の工事概要について以下に示す。
 現在は片側5車線(上下線合計1 0 車線)で構成されており、両端の各2 車線(計4 車線)はコンクリート製橋梁となっている。今回の工事では、このコンクリート製橋梁部分を鋼製橋梁へと架け替える。工事期間中は仮設の迂回路を設置し、24 時間体制で交通規制を最小限にとどめつつ作業を進める。また、供用を継続している中央の各3車線(計6車線)の鋼製橋梁部については、既存橋梁の供用下で本邦技術である「鋼管杭井筒基礎※ 」工法による下部構造の補強工事を実施する。

 同工事を通じて、マニラ首都圏の交通網を強化するとともに、災害時における都市機能の維持を図る。さらに、交通インフラの改善による投資促進を通じて持続的な経済成長を支援し、市民の生活基盤と産業基盤の安定化に貢献することを目指す。

 今後もJFEエンジニアリングは、自社の保有する技術力を最大限に活用し、同国及びアジアやアフリカ地域等の交通インフラの整備を通じて、開発途上国の経済発展に貢献していく。
 
※鋼管矢板の代わりに鋼管杭を組合せて締切る工法:ジャイロプレス工法。

<工事概要>
工事名称:マニラ首都圏主要橋梁耐震補強事業
施工場所:フィリピン共和国 マニラ市内(パッシグ川沿い)
発注者:フィリピン共和国 公共事業道路省(DPWH)
設計・施工監理:未定
請負金額:約100 億円(当社持分)JFEーFirst Balfour社 JV(57%:43%)
工期:着工後34 か月

 ニュースリリース

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