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川崎重工、水素液化プラント向けとしては「世界初」となる遠心式水素圧縮機の実証設備建設に着手

 川崎重工業は3月26日、開発を進めている水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機「KM Comp-H2」の実証設備建設を2月10日より播磨工場(兵庫県加古郡播磨町)において開始したと発表した。

 装置の開発・実証は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「水素液化機向け大型高効率機器の開発」として実施するもの。今回の実証機の製造が完了し、実証設備の建設に着手した。なお、同装置は水素液化プラント向けとしては、世界初となる。

 今後は、2025年11月の竣工に向けて建設を進め、竣工後は1年間にわたり実証運転を行う予定。

 同装置は、液化水素の原料となる水素ガスを冷却するために使用する、冷却用水素ガスを昇圧するプロセスを担う。水素の供給コストの低減のためには液化プロセスの効率化が重要であり、半世紀以上にわたり資源・エネルギー分野で培ってきた圧縮機に関する豊富な実績・知見を活用して、より高効率の液化を実現する純度100%の水素向け大型遠心式水素圧縮機の開発に取り組んでいる。

 同装置は、主要部品である新たなインペラ(羽根車)の開発、大流量化に対応できる遠心式の採用など、新たな技術革新を行うことで、従来技術による水素圧縮機と比較し、「高効率、高昇圧、省フットプリント」という特長を実現している。

 また、装置の開発を通して得られた知見やデータは、水素エネルギーの普及に伴い需要の拡大が見込まれる水素供給パイプライン向けの遠心式水素圧縮機の開発にも適用していく。

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