kikai-news.net

パワーエックス、シリーズCラウンドで総額56億円の資金調達を実施

・岡山県玉野市の工場で第2製造棟(仮称)の建設を検討、27年下期の量産開始へ

・総合商社や大手金融機関が参画

 パワーエックス(東京都港区)は3月7日、シリーズCラウンドの後半として、新たに総額31.7億円に及ぶ資金調達契約を締結したと発表した。2024年9月および11月に実施した前半分の調達を含めると、シリーズCラウンド全体では約56.3億円を調達し、これにより同社の累計資金調達額は約290.9億円となった。

 同ラウンドでの調達は、同社事業への高い期待を示すもの。今回、日本政府が決定したエネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの主力電源化が掲げられた。その実現には、電力系統の安定化を図るため、蓄電池などによる調整力の拡大が不可欠とされている。パワーエックスは、こうした社会的ニーズに応えるべく、大型定置用蓄電池をはじめとする製品・サービスの国内サプライチェーン拡大を通じて、我が国のカーボンニュートラル化に貢献していく。

■今回の資金調達に参画した投資家

-既存投資家による追加投資
・伊藤忠商事株式会社
・株式会社三菱UFJ銀行
・今治造船株式会社
・Frontive Holding
-シリーズCラウンドでの新規投資
・豊田通商株式会社
• その他、金融機関および個人投資家を含む

 なお、シリーズCラウンド全体の資金調達では、三菱 UFJモルガン・スタンレー証券株式会社にフィナンシャル・アドバイザーとして支援した。

■調達の目的と今後について
 今回調達した資金は、以下の施策を推進するために活用し、中長期的な成長への基盤となる。

・大型定置用蓄電池の製造能力拡大

 直近の営業活動により、「Mega Power」をはじめとするパワーエックス蓄電システムの導入・採用実績が累計で1GWhを上回った(2024年末時点)。拡大する顧客需要に国内メーカーとして応えるため、大型定置用蓄電池の製造能力を段階的に拡大していく。具体的には、稼働中の提携工場を2025年下半期を目処に増床を予定している。加えて、岡山県玉野市の自社工場では第2製造棟(仮称)の建設を検討を始め、2027年下半期の量産開始を目指す。

・研究開発機能の強化
 Made in Japanの高い信頼性とグローバル市場での競争力を兼ね備えた次世代蓄電池製品および高度な電池制御技術の開発を目指し、新たな研究開発体制を発足します。また、既存の研究開発拠点を移転・拡大し、より高度な技術開発と迅速な検証プロセスを実現する。

■株式会社パワーエックス 取締役 代表執行役社長CEO 伊藤 正裕 コメント:

「このたびは、日本を代表する企業の皆様よりご出資を賜り、心より感謝申し上げます。今回のラウンドでは、既存株主の皆様からの追加出資も多く、大変励みに感じております。株主の皆様のご期待に応えると同時に、我が国のエネルギー自給率向上を支える国産蓄電池メーカーとしての役割を果たしてまいります。今後さらに努力を重ね、より良い製品の開発と提供に努めてまいります。改めまして、ご支援に深く御礼申し上げます。」

 ニュースリリース

モバイルバージョンを終了