スチールプランテック(SPCO)は2月18日、同社とTMEICが共同開発した製鋼用アーク炉向け新電源システム「CleanArc(クリーンアーク)」の初号機が、国内電気炉メーカーに採用されることが決定したと発表した。2026年度中のシステム稼働を目指す。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、高炉法と比べCO₂排出量の少ない電炉法が大きくクロ-ズアップされ、各製鉄会社では、高炉からの転換や電気炉を活用した高級鋼製造の検討が進んでいる。その一方で電気炉は、大容量の電力を使用する際に発生するフリッカや高調波などの電源品質問題に加え、電力料金や黒鉛電極価格の上昇への対応が課題となっている。
「CleanArc」は、新電源技術の適用により、電源に及ぼす影響を抑制し、電源品質の課題を解決する。また、SPCOの最適電力投入技術との組合せにより、操業効率改善による省エネルギー化が図られ、運転コストの低減を実現する。
納入先となる国内電気炉メーカーは老朽化更新に加え、環境・省エネ対策に積極投資を表明しているが、同システムはこれらのニーズを実現する最適なソリューション。
採用にあたっては、SPCOが世界に150基以上を納入してきた電気炉技術と、TMEICの卓越したパワーエレクトロニクス技術に加え、両社の国内メーカー向け業務を数多く手がけてきた知見や、国内サプライヤーならではの信頼性と安心感が評価された。また同システムが補助金対象製品であることから、初期投資の軽減も大きな評価ポイントとなった。
両社は「CleanArc」の普及をさらに推進していく。電気炉操業における電力系統への課題を解決し、顧客のカーボンニュートラル実現に貢献していく。
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