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加藤製作所、24年4〜12月期売上は8.8%減の368億円、24年予想は525億円(8.7%減)に下方修正

 加藤製作所が2月13日に発表した2025年3月期第3四半期(2024年4〜12月)連結業績によると、売上高は、368億1千5百万円(前年同期比91.2%)、営業利益は8億9千7百万円(前年同期比101.1%)、経常利益は17億5千2百万円(前年同期比101.4%)、親会社株主に帰属する四半期純損失は48億3千1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益28億7千7百万円)となった。

 第3四半期連結累計期間における我が国経済は、輸入物価上昇基調の影響が続く状況ではあったものの、雇用情勢や所得環境の改善により、緩やかな回復基調が継続した。一方、世界経済は、中国における不動産市況の低迷や中東・ウクライナ情勢の地政学リスクが長期化、欧米においては、継続的な物価上昇及び金利・為替の変動等により、依然として先行き不透明な状況が続いている。


 このような状況下、加藤製作所グループでは前々期から推進している3ヵ年の中期経営計画のテーマである『スリムで骨太体質への変革』のもと、基本方針である「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」の各施策に取組んだ。特に将来の基盤構築(選択と集中)として、近年厳しい事業環境により業績が低迷していた中国事業の抜本的な見直しと併せ、成長市場であるインド国内での現地企業との合弁会社設立に向けた準備を進めるなど海外事業ポートフォリオの見直しを積極的に推進した。

 加藤製作所2025年3月期第3四半期データ

■セグメント別の経営成績
①日本:建設用クレーンの国内売上高は高価格帯の大型ラフテレーンクレーンの新型車販売の遅延となったことにより196億8千6百万円(前年同期比97.9%)と減収となり、海外売上高は29億8千4百万円(前年同期比84.3%)となりアジア向けの大口販売があった前期から減収となった。
 油圧ショベル等の国内売上高は53億6千万円(前年同期比93.3%)と需要の伸び悩みによる影響を受け減収となり、海外売上高は米州向け輸出の需要減少により34億7千7百万円(前年同期比57.0%)の減収となった。
 以上を含めた日本の売上高は322億5千7百万円(前年同期比89.2%)となり、セグメント利益は6億3千万円(前年同期比35.9%)となった。

② 中国:中国は、不動産市況の低迷長期化により厳しい販売環境が継続しているなか、期中に解散を決議した現地子会社の在庫製品の販売注力により、売上高は21億6千万円(前年同期144.5%)、セグメント損失は6千8百万円(前年同期はセグメント損失8億8千8百万円)となった。


③ 欧州:欧州は、需要減少により売上高は34億2千5百万円(前年同期比87.8%)と減収し、セグメント利益は4千3百万円(前年同期はセグメント利益1百万円)と同水準を維持した。


④ その他:その他地域は、欧州セグメントを分離したことにより売上高は発生せず、セグメント損失は5百万円(前年同期はセグメント損失6千2百万円)となった。

■主要品目別売上高の状況
① 建設用クレーン:国内売上高は196億8千6百万円(前年同期比97.9%)、海外売上高は30億3百万円(前年同期比83.6%)となり、建設用クレーンの売上高は226億9千万円(前年同期比95.7%)となった。


② 油圧ショベル等:国内売上高は53億6千万円(前年同期比93.3%)、海外売上高は80億1千6百万円(前年同期比78.1%)となり、油圧ショベル等の売上高は133億7千7百万円(前年同期比83.6%)となった。
③ その他:その他製品の売上高は7億4千8百万円(前年同期比113.8%)となった。

■ 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 最近の業績動向を踏まえ、2024年11月8日に公表した2025年3月期の通期連結業績予想を下記のとおり修正 した。

 売上高525億円(前期比 8.7%減)、営業利益15億円(同9. 3%減)、経常利益21億円(同18.5%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は△42億円(ー)と予想している。

 2025年3月期は、現在推進している中期経営計画でテーマに掲げた『スリムで骨太体質への変革』が一定程度進捗したことを受け、増収を計画し、それに伴う増産体制を整備した。しかし、国内においては高価格帯の大型ラフテレーンクレーンの新型車販売の遅延に加え、中古車市場の価格低下に伴う買い替え需要の減少、建設工事に関わる人材不足による建機需要の伸び悩みなど厳しい販売環境が継続した。
 また、海外においても主力市場である米国においては大統領選挙前の買い控え、欧州においては急速な需要低迷があり、第4四半期も各市場での急速な需要回復は見込めないことから、連結売上高は2024年11月8日に公表した615億円から大幅に減少する見通しとなった。
 一方、営業利益については、利益率を重視した販売戦略を継続したことや生産効率改善策などにより減収を補い、前回予想からの変更はない。経常利益については、受取補償金の発生やホテル事業が好調に推移したことにより、前回予想を上回った。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、為替レートの見通しを変更したことにより、修正はしていない。
 当期の連結業績数値は一時的に厳しいものとなる見込みだが、既に開示している中国子会社2社の解散・清算に伴って発生した子会社整理損は一過性のものであり、先述した大型ラフテレーンクレーンの販売も開始されることから来期以降の連結業績と資本収益性は改善していくものと認識している。
 なお、今回の業績予想修正に伴う配当予想の修正はないとしている。

 加藤製作所の2025年3月期第3四半期決算短信

 決算説明資料

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