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IHI、韓国のSamsung C&Tより鋼製モジュールモックアップ製作を受注

・米国NuScale社小型モジュール原子炉(SMR)のルーマニア向けプロジェクト用

 IHIは2月5日、ルーマニア南部ドイチェスティ(Doicesti)の石炭火力発電所跡地で計画されている、米国NuScale(ニュースケール)社の技術を採用した小型モジュール原子炉(SMR) 建設プロジェクトのFEED Phase 2※1検討において,韓国のSamsung C&Tより、原子炉建屋の壁となる鋼製モジュールのモックアップ製作を受注したと発表した。

 同プロジェクトは、建設プロジェクト会社であるRoPower社※2が、米国大手EPC企業のFluor社、米国大手設計会社のSargent & Lundy社、Samsung C&TおよびSMR開発を手掛けるNuScale社と共同で推進している。

 海外向け加圧水型(PWR)原子力プラントに鋼製モジュールを供給した実績があるIHIが、モックアップ製作により鋼製モジュール製作工程を検証することで、建設工事を担うSamsung C&Tの工期短縮に寄与できると期待されている。モックアップ製作は、IHI横浜工場(神奈川県横浜市磯子区)で行い、2025年4月までに完了する予定。

 IHIは、2021年度には、米国NuScale社に出資を決定し、SMRの実現に向けた技術開発にも取り組んでいる。長年培ってきた原子炉の主要容器類の製作経験と技術力を活かし、今後もSMRをはじめとする原子力発電プラント事業を通じて、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していく。
   
※1:FEED(Front-end Engineering and Design)とは、概略設計(Feasibility Study)の後に行われる基本設計業務であり、EPC(Engineering ・Procurement・Construction) の前段階である。主に正確な投資費用の評価、プロジェクト執行計画案の開発,主要サプライヤー選定のための準備が含まれる。今回のFeed Phase 2では、実際にモックアップを製作することなどにより、Phase1で検討されたコストを精査し、建設日程や投資安全性の評価が行われる。

※2:ルーマニアの国営原子力発電会社であるNuclearelectrica社(SNN)が同国内でニュースケール社製SMR「ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)」を建設するため,同国の民間エネルギー企業のNova Power & Gas S.R.Lと合弁で2022年に設立したプロジェクト企業。

 ニュースリリース

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