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ヤマハ、インドネシアでのピアノ生産を終了し、日本・中国に集約

 ヤマハは2月5日、インドネシアでのピアノ生産を終了し、日本・中国に集約するなど、ピアノの生産体制を再編すると発表した。

 近年のピアノ市場は、最大市場である中国の環境変化による需要の大幅な減少とそれ以外の市場においてもコロナ禍以降の市況の悪化が続いている。このような状況を踏まえ、ヤマハグループは、事業規模に見合う生産体制への再編に向けて、今回、インドネシアのピアノ生産拠点であるヤマハ・インドネシア(以下、YI)とヤマハ・ミュージカル・プロダクツ・アジア(以下、YMPA)の生産を終了し、会社清算手続きを開始することを決定した。

 現在、YIにおいては、グローバル市場に向けたエントリークラスのピアノ完成品を、YMPAにおいては、ピアノ木工部品を中心に生産を行っているが、これらの生産を日本と中国に移管・集約し、優れた技術力がある日本では、インドネシアからの一部完成品の移管を含め高付加価値商品の生産に注力するとともに、充実した設備を持つ中国では、従来の中国市場に加え、グローバル市場に向けた生産を継続する。

 中国においては、需要の大幅な減少が見られるものの、ヤマハでは引き続きピアノの最大市場であると認識しており、今後、同市場向けには、より付加価値の高い製品を供給していく。

 ヤマハグループのピアノ事業は、急激な需要の減少に固定費の削減が追いつかず、足元では大変厳しい損益状況が続いている。昨年以来、需要の減少に呼応して構造改革を進めてきたが、今回の再編決定により、将来の需要見通しに沿った生産規模へ最適化する目途が立った。

 今後は、この再編を迅速に実行することにより、早期にピアノ事業を立て直すとともに、より多くのお客様に最良のピアノ体験を提供していく

 なお、YMPAは2025年3月、YIは2025年12月を目途に生産を終了し、それぞれ会社清算手続きを進める予定。

 今回の決定により、2025年3月期の業績への影響は、その他の費用として構造改革費用が65億円(第3四半期決算で計上した30億円の減損損失を含む)発生する見込み。これにより、ピアノ事業の一連の構造改革費用の計上は完了するとしている。

<清算する拠点の概要>
・ヤマハ・インドネシア
所在地 : インドネシア共和国・ジャカルタ特別市
事業内容 : ピアノの製造
従業員数 : 正社員724人(2024年12月末時点)
資本金 : 8,507百万インドネシアルピア(ヤマハ出資比率100%)
設立 : 1974年

・ヤマハ・ミュージカル・プロダクツ・アジア
所在地 : インドネシア共和国・西ジャワ州ブカシ県
事業内容 : ピアノおよび電子楽器の部品の製造等
従業員数 : 正社員120人(2024年12月末時点)
資本金 : 568,540百万インドネシアルピア(ヤマハ出資比率100%、内間接保有33.3%)
設立 : 2017年

 ニュースリリース

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