また、受注高は射出成形機が国内、インド、中国において増加、超精密加工機が国内、中国において増加したものの、押出成形機の中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の減少により、757億5千2百万円(前年同期比17.4%減、海外比率51.5%)となった。
第3四半期連結累計期間における世界経済は、底堅い成長を維持しているが、中国の景気低迷の長期化、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化、米国新政権による政策変更の影響など先行き不透明な状況が継続した。わが国経済は、欧米の高金利水準の継続や中国の景気低迷などによる景気の下押し圧力、物価上昇等により一部足踏みも見られたが、設備投資に持ち直しの動きがあった。
芝浦機械グループを取り巻く経済環境は、インド経済の堅調な成長はあるものの、EV市場の減速、中国の景気低迷、部材・エネルギー価格の高止まり、米国大統領選挙の影響による設備投資の停滞など厳しい状況で推移した。
このような経済環境のもとで、芝浦機械グループは中期経営計画「中計2026」(2025年3月期~2027年3月期)で掲げている事業ポートフォリオの組み替え、顧客の生産性向上に寄与するシステムエンジニアリング装置販売・直
販への軸足シフト、事業ポートフォリオ組み替えにリンクした人材戦略、ESG経営の推進等の基本方針に基づき、脱炭素社会、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した商品の開発と提供、DX戦略の推進などの諸施策を遂行。また、米国新政権の影響による事業環境の変化等にも対応した各種施策を実行した。
■セグメント別の概況
<成形機事業>[射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など]
射出成形機の販売は国内、中国、インドで増加したものの、北米、東南アジアで減少した。受注は国内における自動車向け、インド、中国、東南アジアで増加した。
ダイカストマシンは、自動車向けが、販売は国内、インド、北米で増加、受注は北米、インドで増加したものの、国内、中国、東南アジアで減少した。
押出成形機の販売は中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が大幅に増
加、受注は国内における光学向けが増加したものの、EV需要の伸びの鈍化などの影響により中国でリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が大幅な減少となった。
この結果、成形機事業全体の受注高は519億5千7百万円(前年同期比24.0%減、海外比率61.9%)、売上高は1,112億9千5百万円(前年同期比32.5%増、海外比率88.8%)、営業利益は135億5千1百万円(前年同期比49.4%増)となった。
<工作機械事業>[工作機械(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤など)、超精密加工機など]
工作機械の販売は国内、北米、中国で減少した。受注は国内で増加したものの、北米におけるエネルギー関連向けなどが低迷、また、中国における景気低迷の影響により減少した。
超精密加工機の販売は国内で増加したものの、中国において減少、受注は国内における光学レンズ向け、半導体製造装置向け、中国における光通信関連向け、車載レンズ向けが増加した。
この結果、工作機械事業全体の受注高は179億2千6百万円(前年同期比7.1%増、海外比率36.5%)、売上高は145億7千9百万円(前年同期比14.8%減、海外比率52.1%)、営業利益は1億2千1百万円(前年同期比39.9%減)となった。
<制御機械事業>[産業用ロボット、電子制御装置など]
制御機械の販売と受注は国内における電子制御装置が減少した。
この結果、制御機械事業全体の受注高は47億7千3百万円(前年同期比15.6%減、海外比率5.6%)、売上高は61億4千7百万円(前年同期比18.4%減、海外比率7.7%)、営業利益は1億9百万円(前年同期比74.7%減)となった。
<その他の事業>
その他の事業全体の受注高は10億9千6百万円(前年同期比14.6%増、海外比率2.5%)、売上高は10億5千5百万円
(前年同期比18.2%増、海外比率0.9%)、営業損失は6億1千6百万円(前年同期は営業損失8千万円)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2025 年 3 月期通期の連結業績予想については、2024年11月12日に公表した下記の業績予想を据え置いた。
売上高1,700億円(前期比5.8%増)、営業利益140億円(同2.8%増)、経常利益132億円(同9.6%減)、親会社株主に帰属 する当期純利益117億円(同34.7%減)。