・大型・超大型プレスマシンによる新加工技術の共創と新市場への参入
アマダは1月24日、カナデビアとの間で、同社が100%の株式を保有するエイチアンドエフ(福井県あわら市:代表取締役社長:山田烈史)の全株式を取得する株式譲渡契約を締結し、完全子会社とすることにしたと発表した。これにより、アマダは小型から超大型までのプレスマシンをラインナップするとともに、金属加工のトータルコーディネートが可能となることで、顧客へのソリューション提案の幅を拡大する。
■背景と狙い
アマダグループは、2030年に目指す姿として「長期ビジョン2030」を掲げるとともに、具体的なアクションプランとして、2025年度を最終年度とする3カ年の「中期経営計画2025」を策定し、その実現に向けて全社で取り組んでいる。金属加工機械の総合メーカーとして、モビリティーなどの成長産業に対して、レーザ技術やサーボ制御技術をはじめ、様々なコア技術での貢献が可能だと考える。さらに、これらの技術によってお客さまが抱える環境配慮や人手不足、DXでの効率化といった社会課題の解決にも寄与する。
今回、プレスマシンを全方位でラインナップすることで、さらなるブランド力の訴求が可能になります。また、アマダブランドを業界に浸透させることで、グループが展開する既存商品とのシナジーもさらに強化する。
エイチアンドエフは、500トンの大型から3,000トンを超える超大型のプレスマシン、プレス間搬送装置、オートパレタイザなどの周辺装置、プレスラインのトータルコーディネートに関するノウハウ、自動車業界や機械商社などの顧客基盤および開発からアフターサービスの一貫体制などを有している。また、自動車の生産現場向けでは世界初となる高速レーザカット装置を含むレーザブランキングラインを開発、納入している。主力とする大型プレスマシンの顧客は自動車産業のトップメーカーであり、精度維持のために求められる機械剛性や、生産性の向上に対する要求レベルは非常に高いものとなる。
こうしたことから、アマダはプレス自動化ソリューション事業の競争力強化を目的に、金属加工のトータルソリューションを提供できる体制を早期に確立することを目指して、今回の合意に至った。
両社のシナジーを共創することで、プレス事業においてトップシェアを狙う足掛かりとなる。これらにより、金属加工業界におけるアマダグループのさらなる企業価値向上を目指す。
■ 合意の内容
アマダは、1月24日付けでカナデビアとの間で、同社が保有するエイチアンドエフの発行済株式を全て取得する株式譲渡契約を締結した。取得価格は、177億円。株式譲渡は4月1日を予定しており、エイチアンドエフは手続き完了後も顧客、取引先との関係を維持しながら、主要商品の製造、販売・サービスを継続していく。
■ 今後の展開
アマダグループとエイチアンドエフとの融合により、総合的なソリューションを顧客に提供する。また、両社が持つ販売・サービス網や技術提案力を相互に活用することで、グローバルでプレス事業の拡大を目指す。
今後もアマダのプレス事業は、顧客の真のニーズをとらえ、事業間の垣根を超え未来の加工技術に挑戦し、業界トップの総合ソリューション提案を継続することで、持続的な成長を続けていくとしている。
アマダは、中期経営計画2025における成長戦略として「レーザ・溶接事業」の強化に加え、「自動化ビジネスの推進」を掲げ、さらなる成長を目指す。
■株式会社エイチアンドエフ 概要
社名: 株式会社エイチアンドエフ
所在地: 福井県あわら市自由ケ丘
設立: 1964年
代表者: 代表取締役社長 山田 烈史
事業内容: プレス機械、各種自動化装置、制御装置の製造・販売およびアフターサービス
資本金: 1,055 百万円 (2024年12月末)
売上高: 20,916 百万円 (2024年 3月期)※同社および同社の完全子会社を単純合算した金額
従業員: 398名 (2024年 3月期)
■アマダグループ プレス自動化ソリューション事業 概要
社名: 株式会社アマダプレスシステム
所在地: 神奈川県伊勢原市石田200
設立: 1962年
代表者: 代表取締役会長 磯部 任
代表取締役社長 堀江 喜美雄
事業内容: プレスマシン、プレス周辺装置、ばね成形機の開発・製造・販売・サービス
資本金: 1,491 百万円 (2024年 3月期)
売上高: 20,431 百万円 (2024年 3月期)
従業員: 489名 (2024年 3月期)