・設備投資額は総額350億円
・経済産業省GXサプライチェーン構築支援事業に採択
旭化成（東京都千代田区）は12月18日、水素関連事業を含むグリーントランスフォーメーション（GX）分野において経済産業省が公募したGXサプライチェーン構築支援事業に対し、「GW（ギガワット）級の供給体制構築に向けた電解システムの⽣産能⼒増強」プロジェクトを提案し、採択が決定したと発表した。
旭化成は、グリーン水素製造用水電解装置の国内製造サプライチェーンを、今後見込まれる市場拡大を見越して構築・拡大し、グローバルな水電解需要に対応することで、GX実現に貢献していく。
■背景
2030年の世界の年間水電解槽導入容量は約31GWに達することが推定されており、化石燃料に替わるクリーンエネルギーとして、水電解によって製造されるグリーン水素に対する期待が高まっている。
足元の市場拡大は、再生可能エネルギーの価格の高さや各国の支援策の遅れなどにより、従来の予想より遅れることが見込まれているが、そのような状況の中でも旭化成は、グローバルな競争力を確保するため、水電解装置市場の急拡大に向けた野心的な取り組みとして、生産能力を増強するもの。
■経済産業省GXサプライチェーン構築支援事業とプロジェクトについて
同事業は、温室効果ガス排出削減と経済成長を共に実現するGXに貢献でき、民間のみでは投資判断の困難な、GX分野の国内製造サプライチェーンの、世界に先駆けた構築を支援するもの。
同事業による支援の下、旭化成川崎製造所（神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3）において、電解用枠および電解用膜につき、それぞれ2GW以上の年間生産能力を持つ製造設備の新規構築を目指す。
プロジェクトにおける旭化成の設備投資額は総額350億円規模となり、同事業を通じて最大114億円の助成を受ける予定。
生産設備は、グリーン水素製造用製品とともに、旭化成のイオン交換膜法食塩電解プロセス用の電解用枠および電解用膜も併産できる生産体制とし、2028年度に稼働を開始する計画。
これにより、旭化成が既に有する食塩電解プロセス向け設備の生産能力と合わせて、少なくとも年間3GWに対応可能な製造能力を達成する。
詳細は、ニュースリリース