ペプチドリーム（神奈川県川崎市）は12月17日、次世代放射性核種（Lu-177、Ac-225、Cu-64 等）を用いた放射性医薬品の新たな製造拠点として、かずさアカデミアパークに工場を新設することを決定したと発表した。同日、ペプチドリームとペプチドリーム子会社であるPDR ファーマ（東京都中央区）から千葉県にかずさアカデミアパーク進出希望申出書を提出した。
ペプチドリームグループは、放射性医薬品（RI）領域において放射性医薬品の研究開発・製造・販売を行っている。また、ペプチドリーム独自の創薬開発プラットフォームである PDPS (Peptide Discovery
Platform System)技術を活用し、革新的な放射性診断薬・治療薬の創製に取り組んでいる。
稼働中のPDRファーマ千葉工場（千葉県山武市）は現在販売している放射性診断薬・治療薬の製造を行っているが、ペプチドリームグループでは今後、次世代放射性核種を用いた新たな放射性治療薬、および診断薬と組み合わせたセラノスティクスの上市を予定しており、日本国内の製品供給はもちろん、将来的にはアジア・パシフィック地域への製品輸出等も視野に入れ、国際的な医薬品製造基準に対応した製造キャパシティの拡充を計画している。
新工場は 2028 年の稼働開始を目指し、2028 年までの投資規模は 100 億円程度になるものと
想定している。また、今回の工場新設に係る費用については、手元資金による充当を予定している。
すペプチドリーム代表取締役社長 CEO であるリード・パトリックは次のように述べている。
「日本における放射性医薬品のリーディング・カンパニーとして、ペプチドリームとPDR
ファーマでは、戦略的にペプチド創薬技術を活用した次世代標的型放射性医薬品のパイプラインの拡大に注力しています。開発品目には、ペプチドリームによって創製されたプログラム（自社プログラムである CA9、日本の権利を保持する GPC3 プログラム等）に加え、PDRファーマが戦略的提携により開発を進めているプログラム（リンクメッドと提携したATSM プログラム、Curium 社と提携した PSMA I&T プログラム等）が含まれ、足元 12 か月の期間においても大幅に拡充されています。今後もさらにパイプラインの拡充を進めていく方針であり、有望な放射性医薬品を日本および海外の患者さんにお届けするためにも、製造キャパシティ拡張を進めていくことが重要と考えています。」
ペプチドリーム CMO 兼PDRファーマ代表取締役社長である村上 雅人は次のように述べている。
「かずさアカデミアパークは千葉県君津市・木更津市に立地する工場・研究施設パークで、PDRファーマの製造キャパシティを拡張するために最適な選択であると考えています。新工場は、ペプチドリーム本社および川崎 PET ラボにも、またPDRファーマの千葉工場にも車で約 1 時間の距離にあります。さらに、羽田空港・成田空港へのアクセスも良好で、日本国内はもちろんアジア・パシフィック地域への安定供給の観点からも最適な立地であると考えています。千葉工場に新工場も加わることで、有望な放射性医薬品を国内外の患者さんにお届けできる体制をしっかりと構築していきたいと考えています。」
＜新工場の概要（予定）＞
事業所名：PDRファーマ株式会社 千葉かずさアカデミアパーク工場（仮称）
所在地：千葉県君津市かずさ小糸 かずさアカデミアパーク
目的：次世代放射性医薬品の製造および研究開発
生産品目：Lu-177, Ac-225, Cu-64 等を使用した放射性医薬品
用地面積：57,000 ㎡
＜スケジュール ＞
設計開始：2025 年 1 月、着工：2026 年 6 月、操業：2028 年 10 月
■ペプチドリームについて
ペプチドリーム株式会社（東証プライム市場 証券コード 4587）は、特殊環状ペプチドから新たな革新的医薬品を産み出すことで、アンメット・メディカル・ニーズに応え、世界中の人々の生活の質を向上させることを目指しています。放射性医薬品（RI）領域において、完全子会社であるPDRファーマを通じて日本で放射性医薬品の販売を行っています。また、独自の創薬開発プラットフォームである PDPS (Peptide Discovery Platform System)技術を活用し、革新的な放射性治療薬や放射性診断薬を創製し、自社または提携プログラムとして開発しています。Non-RI 領域においては、PDPS を活用したペプチド医薬品、ペプチド－薬物複合体（PDC）および多機能ペプチド複合体（MPC）による治療薬・診断薬への展開を共同研究開発パートナーによる広範囲なグローバル・ネットワークを構築し、幅広く進めております。ペプチドリームの本社の所在地は川崎市です。当社や当社技術、パイプラインについての詳細については、https://www.peptidream.com をご覧ください。
■ PDRファーマについて
PDR ファーマ株式会社（2022年ペプチドリームグループに参画）は、1968年に事業を開始して以来、放射性医薬品領域の先駆者として、放射性医薬品等の研究開発・製造・販売等を通じて高品質な放射性医薬品を提供してまいりました。現在 22 品目の放射性診断薬（SPECT 診断薬およびPET診断薬）、及び８品目（３製品カテゴリー）の放射性治療薬を国内で販売しております。さらに、PDRファーマとペプチドリームは国内およびグローバル・マーケットに向けた放射性診断薬、ならびに放 射 線 治 療 薬 の 広 範 な パ イ プ ラ イ ン を 開 発 し て い ま す 。 詳 細 に つ い て は 、
https://www.pdradiopharma.comをご覧ください。
詳細は、ニュースリリース
＊リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。