4〜9月における世界経済は、米国では金融引き締めが継続し、住宅着工件数は調整局面が継続するなか、潜在的な住宅需要は底堅く推移しており、金利引き下げの期待感から回 復の動きもみられる。一方、欧州や中東での地政学リスクの長期化を背景としたエネルギーコストの上昇や資材価格の高騰、世界的なインフレに伴う金融不安等の影響等により、依然として先行き不透明な状況が継続している。
このような環境の中、主力事業である建機用フィルタ事業においては、北米、アジア、欧州、日 本における建機の新車需要は前年度を下回る一方で、交換需要は大幅に増加した。一方、中国市場では、 市況の低迷が継続し需要は減少した。この結果、2売上高は全体では大幅な 増収となった。
利益面では、建機用フィルタの交換需要の増加に伴う補給品売上高の増加に加え、主要原材料価格やエネルギー コスト高騰への対応策として、原価低減の取り組みや、販売価格の改善効果により大幅な増益となった。
また、原材料価格やエネルギーコスト等の高騰に対する販売価格の改善に努めるとともに、更なる競争力 を強化するための原価改善の取り組みとして、プロジェクトPAC24の推進に加え、設計開発段階での機能や材料の見直し、生産プロセスの効率化、品質管理の強化等による製造コストの削減に取り組み、利益の改善に努めている。また、グローバル生産供給体制とサプライチェーンの再構築により、原材料調達の安定化と物流コストの低 減を実現することで、外部環境変化やリスクへの適応力の強化を図り、資本効率の更なる改善と収益性の拡大に努めていく。
■今後の見通し
2025年3月期連結業績予想については、下記に修正した。
売上高193億円(以下、前期比7.1%増)、営業利益22億20百万円(57. 3%増)、経常利益22億80百万円(61.1%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益14億90百万円(89.4%増)。
業績見通しにおける為替レートは、1米ドル145円、1ユーロ155円を前提としている。
■業績予想の修正理由
① 建機用フィルタ事業:前回通期の業績見通しを公表した 2024年5月 15日時点と比較し、中間期において、新車需要は前年度を下回る見通しである一方、交換需要の増加により補給品売上高の大幅な増加が見込まれることから、売上高は前回公表値を上回る見通し。利益面では、販売価格の改善や原材料価格やエネルギーコストの高騰といった外部環境変化によるコスト増加に対しての原価低減活動の効果により、営業利益は前回公表値を大幅に上回る見通し。
② エアフィルタ事業:エアフィルタ事業については、前回公表値を据え置く。今後、市場環境の変化が業績等に影響を与える場合には速やかに開示する。