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三菱重工、インドネシア・ダラジャット地熱発電所の設備改修工事を受注

・クリーン技術で同国の再生可能エネルギー比率向上に貢献

・最新鋭の蒸気タービンを納入、発電出力は改修前に比べ

・8,000kW増の12万9,000kWに

・機器納入および据付工事をターンキー方式で受注、長期安定運転もサポート

 三菱重工業は10月28日、インドネシアの地熱発電事業者であるStar Energy Geothermal Darajat II, Limited(SEG)社から、ジャワ島にあるダラジャット(Darajat)地熱発電所3号機のリハビリ(設備改修)工事をターンキー方式で受注したと発表した。蒸気タービンおよび関連設備を更新するもので、工事完了は2026年秋を予定している。今回の工事では、高効率かつ信頼性の高い蒸気タービンの導入により、電力の安定供給はもとよりCO2排出量を抑制し、同国の再生可能エネルギー比率向上に貢献する。

 同工事で使われる蒸気タービンの設計、製作、据付支援を当社の長崎造船所(長崎市)が手掛け、三菱重工グループの現地法人である三菱パワーインドネシア(PT. Mitsubishi Power Indonesia)が現地据付工事および改修工事後の長期安定運転をサポートする。三菱重工グループの優れた蒸気タービン技術により設備の一部を更新するだけで出力増が可能となること、および高い現地据付工事の遂行力が、SEG社に評価され今回のターンキー方式での受注につながった。

 この地熱発電所は、首都ジャカルタから南東に約200kmの西ジャワ州ガルト(Garut)に位置している。三菱重工は、2007年に同発電所に蒸気タービンを納入した。今回の改修により、出力が定格12万1,000kWから12万9,000kWへ増加する。

 今回の契約を受けて、三菱パワーインドネシア社長の吉田 和宏氏は次のように述べている。
「インドネシアは、世界2位の地熱発電能力保有国です。当社はこれまで、同国の地熱発電所に計6ユニット、合計約40万kWに達する設備を納入した実績があります。また1ユニットの建設工事を現在進めています。当社は、地熱発電を含むクリーンエネルギー技術を通じ、2060年カーボン・ニュートラル化という同国政府の目標達成に向けて貢献していきます」。

 SEG社は、インドネシア最大の再生可能エネルギー事業者であり、同国の時価総額最大規模を誇るPT Barito Renewables Energy Tbk(BREN)グループの中核企業。BREN社およびSEG社のCEOを兼務するヘンドラ・タン(Hendra Soetjipto Tan)氏は、今回のプロジェクトについて次のように述べている。
 「インドネシアの電力需要が高まっているなか、需要家からも再生可能エネルギーに由来する電力へのニーズが高まっています。我々はこのプロジェクトを通じて、インドネシアの経済発展およびクリーン化の両面で貢献していきます」。

 三菱重工グループは、高性能で信頼性の高い技術の普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの脱炭素化を促進することで地球環境の保全に貢献していく。

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