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不二越、23年12〜24年8月期売上は10.4%減の1,794億円、通期予想2,380億円(10.3%減)は変更せず

 ㈱不二越が10月3日に発表した2024年11月期第 3四半期連結累計期間(2023年12月〜24年8月)の売上高は、国内を中心に自動車生産が回復し、米州の産業機械・市販分野において需要が拡大したが、中国および欧州の建設機械・産業機械分野などでの需要減少や国内の一部自動車メーカーでの減産を受け、1,794億31百万円(前年同期比10.4%減)となった。このうち、国内売上高は 877億67百万円(同5.7%減)、海外売上高は916億64百万円(同14.4%減)となった。

 利益面については、原材料価格上昇分の販売価格への転嫁や、生産ラインの自動化・合理化、調達コストダ ウンにとり組み、為替も円安で推移したが、ロボット・油圧機器などでの操業度の悪化が大きく影響し、営業利益は40億74百万円(同60.3%減)、経常利益は19億8百万円(同80.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利 益は27億78百万円(同55.9%減)となった。

 第3四半期連結累計期間における不二越グループをとり巻く環境は、自動車分野を中心に経済活動の緩やかな回復が進み、日本・米州をはじめとする先進国経済の持ち直しが見られた。一方で、ウクライナ情勢の長期化に 伴う原材料価格の高止まりや中東情勢の緊迫化、欧米での金融引き締めに伴う影響に加え、中国経済の減速など、 先行き不透明な状況が継続している。
 このような状況のもと、不二越グループは、中長期的な脱炭素・EV化をはじめとする産業構造の大変革を見据 え、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり組でいる。また、収益の改善に向けて、需要の変化に対応する世界の工場再編、合理化、内製拡大など、事業全般の構造改革を推進している。

■セグメントの業績
 機械工具事業では、中国自動車メーカーの設備投資計画の見直しに伴うロボット需要の減少や、中国の産業機械分野での工具・工作機械の需要減少により、売上高は567億92百万円(前年同期比14.7%減)となり、営業利益は操 業度の悪化などにより、22億58百万円(同61.6%減)となった。

 部品事業では、中国・欧州の建設機械メーカーの生産調整により油圧機器の需要が減少したことに加え、国内の 一部自動車メーカーでの減産、市販代理店の在庫調整に伴い、ベアリング需要が減少した結果、売上高は1,106億 42百万円(同8.7%減)となった。
 営業利益は油圧機器での操業度の悪化などにより、9億93百万円(同72.7%減) となった。

 その他の事業では、国内での特殊鋼需要の減少を受け、売上高は119億96百万円(同3.2%減)となった。
一 方、営業利益は、原材料価格上昇分の販売価格への転嫁などにより、7億69百万円(同6.5%増)となった。

■今後の見通し
 2024年11月期通期の連結業績予想については、2024年7月11日発表の予想(下記)を据え置いた。
売上高2,380億円(前期比10.3%減)、営業利益 60億円(同49.5%減)、経常利益50億円(同54.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益30億円(同53.6%減) 。

 不二越の2024年11月期第 3四半期決算短信
 第3四半期決算補足資料

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