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荏原と将来宇宙輸送システム、電動ポンプ用いたロケットエンジンの共同開発で包括連携協定

 ㈱荏原製作所(以下、荏原)と将来宇宙輸送システム(以下、ISC)は9月27日 、荏原が開発する電動ポンプを用いた、ロケットエンジンの共同開発に取り組むことで合意し、2024年8月21日(水)に包括連携協定を締結したと発表した。

■背景
 荏原では、2000年代初頭より回転機械技術を活用して宇宙航空研究開発機構(JAXA)のエンジン用ターボポンプ改良を支援してきた。これまでに培った知見を活かして「人と宇宙のつながりを当たり前に」をミッションに、宇宙への輸送手段の低コスト化実現に貢献するため、ロケットエンジン用ポンプの開発を進めている。

■概要
 荏原は現在、駆動機に電動モータを採用した、ロケットエンジン用電動ポンプの開発を進めている。ロケットエンジンの性能を高めるには燃料や酸化剤を昇圧するためのターボポンプが必要となりますが、これを電気駆動とすることで保全性や扱いやすさが向上さる。

 今回、ISCが荏原の電動ポンプ技術に注目し、当該ポンプを活用したロケットエンジンを共同で開発することに合意した。ISCが推進する再使用可能なロケットを検討する上で重要となる課題は、着陸時の推力調整が容易になることや繰り返し使用に耐えられることが挙げられるが、電動ポンプはこうした課題に対応できる技術のひとつとして期待されている。

■今後の展望
 両社の連携により、今後、ロケットエンジンの地上燃焼試験を行い、2028年3月までに地球周回軌道に人工衛星を投入する技術実証を行うことができるレベルにまで高めることを目指す。また、荏原は今後国内外のロケット・ロケットエンジンメーカとも幅広く連携すべく、ビジネス展開を進めていく。

 荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていく。

 ニュースリリース

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