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大建工業、三重工場のシート化粧床材ラミネートラインにおいて「水性接着剤塗布設備」を増設

・水性接着剤の使用拡大により、環境負荷低減に貢献

 大建工業(大阪市北区)は9月4日、主力製品の1つである床材を生産する三重工場(三重県津市:久居工場)において、約1億5千万円を投資し、シート化粧床材の製造工程の一部となるラミネートラインに、環境負荷の低い「水性接着剤」の塗布設備を増設したと発表した。同設備を導入することで、同工場における水性接着剤の使用割合を、現状の7割から9割に引き上げ、環境負荷の低減に貢献するとともに、DAIKENグループの床材生産における対応力の強化を図る。

■新設備導入の背景と概要
 近年、木質系の複合フローリング市場においては、消費者ニーズの多様化に伴い、デザイン性や耐久性に優れたシート化粧床材が普及しており、市場シェアの約8割を占める主流製品となっている。中でも、持続可能な建築資材への関心の高まりから、環境配慮やVOC(揮発性有機化合物)排出量の低減等を実現するエコフレンドリーな床材が注目を集めている。

 そのような中、大建工業においては、床基材のエコ化や植物由来の原材料活用など、環境に配慮した床製品を開発・販売しているが、さらなる取り組み強化に向けて、シート化粧床材の製造時に使用する接着剤においても、より一層の環境対応を検討していた。

 現在、三重工場では、接着力や耐水性などに優れた「ポリウレタン系接着剤」と、環境負荷の低い「水性接着剤」を使用しており、それぞれ専用のラミネートライン(表面シート張り工程)を各1本ずつ保有している。製品ごとの特性に合わせて両接着剤を使い分けているが、「水性接着剤」については、接着剤製造過程でのエネルギー消費量やCO2排出量などが抑えられる材料とされており、床材を製造する際には、その使用割合を高めることが環境貢献へとつながる。

 そこで今回、「ポリウレタン系接着剤」専用ラインに、「水性接着剤」を塗布する設備を導入し、9月2日より本格稼働を開始した。これにより、「ポリウレタン系接着剤」専用ラインは、「水性接着剤」を含めた両接着剤に対応できる生産ラインとなり、同工場における「水性接着剤」の使用割合は、現状の7割から9割へと引き上げられる。

 今後、「ポリウレタン系接着剤」を使用していた製品について、可能な限り水性への切り替えを進めることで、シート化粧床材の販売を通した、さらなる環境負荷の低減に貢献していく。

 また、DAIKENグループの他の床材製造拠点では「水性接着剤」を使用した製品が中心であることから、今回の設備増強により、グループ内での生産品目の共有化がより一層進むこととなり、有事の際のBCP対応力の強化にもつなげていく。

<三重工場 設備投資の概要>
所在地:三重県津市森町1945番地3
投資内容:ラミネートラインへの「水性接着剤塗布設備の増設」
スケジュール:2024年8月導入工事完了・テスト生産開始、
9月本格稼働(通常生産)開始
ライン能力:ラミネートラインの能力 6万坪/月
投資額:約1億5千万円

 ニュースリリース

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