kikai-news.net

倉元製作所、アイウイズロボティクスを子会社化し、業務用支援ロボット事業を開始

 ㈱倉元製作所(宮城県栗原市)は9月2日、業務用支援ロボットの開発・販売・メンテナンスサービスの提供事業を行っている、㈱アイウイズロボティクス(以下、IWR、東京都品川区)を株式交換により完全子会社、新たな事業として業務用支援ロボット事業を開始すると発表した。

■事業開始の趣旨
 倉元製作所の中長期の事業戦略は、主力の液晶パネル向けガラス基板加工事業の市場縮小に対処すべく、2022 年より、新規事業として、これまで培ってきた「切る」「磨く」「成膜」というナノレベルの『超精密表面加工技術』を生かした、石英ガラス加工、SiC 加工(炭化ケイ素加工)など、半導体製造装置部品加工を開始しており、規模は小さいながらも、着実に成果につながっている。

 今回、一層のスピードと規模感をもって企業成長を図るために、同事業を日本で行っているIWRを株式交換により完全子会社としてグループ化して同事業を展開していくもの。

 IWRは、業務用支援ロボットの開発・販売・メンテナンスサービスの提供事業を行っている。具体的には、業務用掃除ロボットのカテゴリーに於いて、AI と IoT を融合した技術で、「人間生活」、「社会インフラ」、「ビジネス領域」の効率を改善していくことを目指している。

 また、IWRの事業戦略は、日本市場を対象として、顧客の意向をロボットに反映したカスタマイズを開発の基本とした差別化戦略を推進しており、清掃業務の省力化を図り、将来に向けた安定した環境構築を支援することを目的に、大手コンビニエンスストア並びにパチンコ・パチスロ店、小売、ビルメンテナンス業界等の幅広い顧客への販売展開を進めている。

 IWRは、現在の日本の労働力不足・人件費高騰の経済環境を背景に、AIを活用した全自動の業務用
掃除ロボットを 2023 年 6 月より日本市場に投入し販売を開始しており、これまでにコンビニ、ドラッグストア、オフィスに311 台、清掃会社に32台、遊技場、ビルメテナンス会社に53台の納入実績があり、また、今月8月には、既に業務用ロボットを積極的に導入しているコンビニチェーン店より追加注文を受けるなど、着実に受注実績を増やしている。

 さらに、大手ビルメン会社とのエレベータ連携の実証試験にも合格し、掃除ロボットが無人でエレベータを操作し各階を移動して清掃を完了させることで、ビル1 棟まるごと全自動清掃が可能となり、今後、こうしたエレベータ連携を含め、日本市場でのさらなる市場拡大が期待できる。

 IWRは、その前身となる会社である、AIによる各種ソリューション提供を目的とした深圳市艾唯尔
科技有限公司を 2016 年 4 月に中国深圳市設立、2018 年 3 月には、深圳市艾唯尔科技有限公司、伊藤忠商事及び富士通コネクテッドテクノロジーズ(現 FCNT)との3社で中国での AIソリューション事業を行う目的で、合弁会社小達人智能科技設立を設立、その後、 2023年 2月に、業務用掃除ロボットの日本での販売及び日本顧客向けの製品開発(カスタマイズ)等のマーケティング業務を行うことを目的にIWRを設立した。上述の深圳市艾唯尔科技有限公司は、これら日本向け製品のソフトウエア開発の業務を担当する。

 株式交換により同事業を開始するに至った背景は、IWRは、日本での製造を要望しており、これは、①日本顧客の要望として、日本製造製品のニーズが高いこと、また、②日本製造の製品であれば、顧客が省力化投資に関する補助金(https://shoryokuka.smrj.go.jp/)の活用もできる可能性があることか
ら、市場がより拡大することが想定されるため。また、倉元製作所としても、製造組立受託により、③遊休工場の活用及び④製造人材の活用も可能で、倉元製作所の経営効率向上につながることから、全面的な提携の可能性を検討した。その過程で、両社は、IWRが倉元製作所子会社として倉元製作所グループに加わることで、上記①~④のニーズを満たすこと、さらには、倉元製作所既存主力事業(基板事業)の市場縮小が続く中で、⑤成長が期待される業務用支援ロボット事業への参入により倉元製作所事業の高角化による高成長と収益向上も期待できると判断した。

 詳細は、ニュースリリース

モバイルバージョンを終了