帝人フロンティア（大阪市北区）は9月2日、タイでポリエステル繊維の製造・販売を展開するグループ会社、テイジン・ポリエステル（タイランド）（Teijin Polyester(Thailand)Limited、本社：タイ・バンコク、以下TPL）において、コンジュゲート長繊維(*)の需要増に対応するため生産設備を増設すると発表した。新設備は、2024年9月から本格生産を開始する。
■背景
（１）近年のウール市場における、世界的な人口増加などを背景とした需要増や生産コスト上昇などのために、ウールの代替素材のニーズが高まっている。そのため、帝人フロンティアにおいても、梳毛調のナチュラルな外観とともにストレッチ性などの機能性を有するコンジュゲート長繊維の素材である「トリクシオン」などの販売が、ファッション衣料向けやユニフォーム向け中心に大きく伸びている。
（２）こうした中、これらの素材を生産するTPLでは、フル生産に近い操業を続けるとともに、人員の重点配置や生産ロスの削減策などを実施して対応していたが、今後もコンジュゲート長繊維の需要増加が予想されることから設備を増設することにした。
＜増設する設備＞
所在地：テイジン・ポリエステル（タイランド）内
生産開始：2024年9月
主な増設設備：紡糸関連設備：コンジュゲート長繊維用紡糸機
延伸関連設備：特殊延伸機
生産品：コンジュゲート長繊維
生産量：7百ｔ/年（2025年度予定）
■今後の展開
（１）新設備で生産したコンジュゲート長繊維は、原糸やテキスタイル、それらを使用した製品として、帝人フロンティアグループ向けを含め、国内・海外に幅広く販売していく。
（２）将来的には新開発のコンジュゲート長繊維などの生産にも活用していく。
(*)成分の異なる2種類のポリマーを2つに区切られた紡糸口金から同時に紡糸し、1本の繊維にしたもの。2成分が貼り合わされた構造や、芯・鞘構造などがある。