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パナソニックとヤンマー、ガスヒートポンプエアコン(室外機)の開発製造に関する合弁会社設立で合意

 パナソニック ホールディングスのグループ会社であるパナソニック株式会社空質空調社(以下、パナソニック)と、ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーエネルギーシステムは、8月30日、業務用空調機の一つであるガスヒートポンプエアコン(以下、GHP)室外機の開発と製造に関する合弁会社を設立することで合意したと発表した。両社は協業を通じて、開発と製造の効率化を図りながら、BCP(事業継続計画)対策や次世代低炭素エネルギー(※1)の活用を目指し、社会要請への対応を進めていく。

 GHPはガスエンジンを動力源としてコンプレッサーを駆動する業務用空調機で、電気式ヒートポンプエアコンに比べ、消費電力が約10分の1と少なく、夏場の電力ピークカットに大きく貢献してきた。近年では、ガスエンジンと電気モーターの両方を搭載したハイブリッド空調(商品名:スマートマルチ)を発売。空調負荷に応じてガスと電気の消費量をコントロールし、1次エネルギーの平準化とランニングコストの削減に寄与している。また、ガスインフラの強靭性を活かし、災害時の避難所や企業のBCP対策に最適な空調機として、停電時に発電をしながら空調と照明などの電気機器が使用可能となる、電源自立型(商品名:ハイパワープラス)をラインアップしている。

 パナソニックは1985年に業界に先駆けてGHP第1号機の開発・製造を行った。ヤンマーエネルギーシステムも同時期にGHP事業に参入し、それ以来、両社は業界トップクラスのメーカーとして技術、ノウハウを蓄積し、ガス空調の発展に貢献してきた。

 パナソニックとヤンマーエネルギーシステムは、カーボンニュートラルに向けた環境経営の姿勢で共鳴し、2022年12月から、マイクロコージェネレーションシステムの廃熱を業務用空調機である吸収式冷凍機に活用することで、高いエネルギー効率を実現した「分散型エネルギー事業」で協業(※2)している。今回新たに、2025年4月を目処として、GHP室外機の開発と製造に関する合弁会社を設立することで合意した。GHPを取り巻く市場環境は、空調機業界において将来的に強化が予想されるHFC冷媒規制(※3)や水素を含む次世代低炭素エネルギーの社会実装などの変化が見込まれる。合弁会社では、両社の強みであるパナソニックの冷媒技術とヤンマーのエンジン技術を持ち寄り、設計を共通化することによる開発リードタイムの短縮と、使用部品の内製化率向上、パナソニックの群馬県にある工場とヤンマーの岡山県にある工場の立地条件を活かした東西での安定した生産体制を構築していく。2026年春には、合弁会社で開発製造したGHP室外機の発売を目指す。なお、両社のブランド、販売、サービスは、従来と変わらず、それぞれで事業を継続する。

 今後もパナソニックとヤンマーエネルギーシステムは、GHPや分散型エネルギー事業を通じて、顧客の省エネルギーや脱炭素化のニーズに応えることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。

<合弁会社の概要>
会社名:パナソニック・ヤンマーGHP開発製造株式会社
本社所在地:群馬県
設立時期:2025年4月(予定)※所要の当局承認を前提とする
事業概要:GHP室外機の開発および製造
資本金:9,000万円
出資比率:パナソニック ホールディングス株式会社51%、ヤンマーエネルギーシステム株式会社49%

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