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エア・ウォーター 、Rapidus向け「CMPスラリー調合・供給システム」を受注

・自動化ソリューションを組み込み、半導体製造のさらなる高度化に貢献

 エア・ウォーターグループは8月26日、最先端半導体の国産化を目指す Rapidus (東京都千代田区)が北海道千歳市に建設する半導体工場(Innovative Integration for Manufacturing 第1棟、以下、IIM-1)向けに、「CMPスラリー調合・供給システム」を受注したと発表した。

 スラリー(slurry)とは、固体粒子が液体の中に混ざった液(泥)状の混合物を意味し、主に半導体の研磨工程(CMP:Chemical Mechanical Polishing -半導体製造における化学的・機械的研磨)で使用される化学品の一種。同システムは、各種スラリーと薬液を高精度で調合し、安定的に半導体製造装置へ供給する設備。

 エア・ウォーターグループは、エレクトロニクス分野において使用される多種多様な特殊ガスや特殊ケミカル品を幅広く取り扱っている。また、こうしたケミカル材料を半導体製造装置へ安全かつ安定的に供給するための供給システムや精製・除害装置に加え、半導体製造装置向けの部品や関連機器など幅広いラインアップを取り揃えている。

 こうした中、エア・ウォーターグループのエア・ウォーター・メカトロニクス(神奈川県平塚市)が製造・販売を行う「CMPスラリー調合・供給システム」に、原材料容器の自動搬送技術を組み合わせ、RapidusのIIM-1向けに納入する。

 この「CMPスラリー調合・供給システム」は、スラリーの液種に応じて、濃度や粒子径を均一化し、安定的かつ高精度に調合できる設備。米国企業との提携による基本技術をもとに、2006年よりエア・ウォーターグループが国内の半導体工場向けに最適な供給システムとして設計・製造しており、多数の実績を有している。今回の受注は、最先端半導体工場への導入実績と自動化ソリューションを組み合わせた安定供給体制が評価されたとしている。

 RapidusのIIM-1は、自動運転やAIなど次世代の産業に欠かせないとされる2ナノメートル(nm)以下の最先端ロジック半導体を製造する施設であり、2025年4月にパイロットラインを稼働、2027年には量産を開始する計画としている。

 エア・ウォーターグループは、今回の受注を契機として、今後さらなる設備投資の拡大が見込まれている国内の半導体工場に対し、こうした供給システム・ソリューション提案を推し進め、これまで以上に最先端の半導体工場の自動化・省人化・安定操業に貢献していく。

 詳細は、ニュースリリース

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